タグ南極観測船しらせ

南磁極通過

時計のコンパス機能でも南が下になる

時計のコンパス機能でも南が下になる

 「しらせ」は復路航行中の15日午後3時、南磁極(南緯64度17分16秒、東経136度40分32秒)を通過した。

 南磁極は磁力線に東西南北の成分がなく、地面に垂直になる場所。地図上の南とはずれている。特別な場所だと思っても目に見えるわけではない。写真で紹介するのが難しい。

 地球を一つの棒磁石のように例えられるが、気象庁の地磁気観測所(茨城県石岡市柿岡)から派遣されている56次の仰木淳平隊員によると「地球の中心近くの外核は金属を含み、どろどろに溶け流体になっている。複雑な流れが電流を作って地球は大きな電磁石のようなものになっている。磁極は常に動いていて南北対称でもない」という。

 ちょうど南磁極を通過する時、方位磁針はどういう動きをするか。通過時刻の前から隊員が艦橋に集まり、設置してある磁気コンパスの動きに固唾をのんでいたが、結局変わった動きはしなかった。1日単位で観察していると、変化は見られたかもしれない。

 仰木さんの冗談は「『南磁極を通過しても何も起きない』とふて寝していたら、北枕になってしまいます」。はたして北枕は地図上の北を指すのか、それとも磁北を指すのか―。

南磁極通過時に磁気コンパスを見る隊員ら

南磁極通過時に磁気コンパスを見る隊員ら

南磁極ではコンパスの南は下を向く

南磁極ではコンパスの南は下を向く

艦橋にある磁気コンパス。中のコンパスが傾いているのが分かる

艦橋にある磁気コンパス。中のコンパスが傾いているのが分かる

地図上の南磁極を指差す「しらせ」の石井さんと勅使河原さん(右から)

地図上の南磁極を指差す「しらせ」の石井さんと勅使河原さん(右から)

前の記事次の記事

トップへ戻る