2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おばちゃん助産師の子育てエール(16)「抱っこにある『魔法』の力」

抱っことパパとのお話が大好きな1歳になったばかりの赤ちゃん。飼い猫とも仲良し

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。

 出産してから、数えきれないくらい赤ちゃんを抱っこする日々ですね。時には赤ちゃんが夜泣き怪獣に見えてきて、抱っこが大変に思えることもあるかもしれません。

 ママはひとりで頑張らず、パパや周りの人とみんなで、抱っこして子育てしていきましょう。

 抱っこすると、親にも子にも「愛情ホルモン」「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。赤ちゃんの頃から、いっぱい抱っこされて、いっぱいオキシトシンが出ると、心が安定してたくましく成長できると言われています。

 抱っこしている方もオキシトシンの効果で、幸せな気持ちになります。抱っこには、魔法のようなすてきなな力があるのです。

 「赤ちゃんは泣くのが仕事」という言葉があるほどよく泣きます。ママは「なぜ?」と理由を検索したくなりますが、まず抱っこして顔を見ながら「眠いのかな」「おなかが空いたのかな」と話しかけてみましょう。それだけで赤ちゃんは、愛されていると実感して安心します。世界の子守歌でも、「子どもは抱っこしないと寝ない、抱きしめるから安心して」という内容の歌がたくさんあります。全世界、子育ての悩みは同じなのです。

 「抱き癖がつく」と悩むママもいますが、癖になったと思うほど、たくさん抱っこしているなら、子どもの心は大満足で、素晴らしいことです。

 抱っこ生活は、永遠には続きません。子どもの成長とともに、スキンシップの形も変化していきます。今しかできない魔法の抱っこを思いきり楽しみましょう。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在は、十勝管内で講演会や子育て相談、お母さん教室、母乳相談、産前産後ケアなどを行う。62歳。

中山由香里さん