十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おばちゃん助産師の子育てエール(13)「母乳はいつまで?」

2人目妊娠中のママの産前ケアをする筆者。上の子はトラブルもなく、1歳3か月で自然と卒乳できた

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。

 母乳育児を頑張っている中、子どもが1歳を過ぎると「仕事復帰するなら母乳をやめるべき」「飲ませていると虫歯になる」「長く飲ませると甘えっ子で自立できない」などの誤った情報がママたちを混乱させます。

 母乳はいつまで飲ませるのが良いのか?

 結論は子ども自身が「もういらないよ」と飲まなくなるまでで、年齢は関係ありません。これを卒乳と言います。仕事復帰しても、帰ってからしっかり飲ませてあげればいいのです。ママも仕事が大変だけど、子どももママと離れて頑張っていたので、授乳の時間はお互いの癒やしの時間になります。

 今は母子手帳に断乳(母乳をやめる時期をママが決めること)の文字はありませんが、2002年3月までは記載され、勧められていました。断乳は母乳を無理にやめるので、トラブルも多くありました。

 第1子出産後、おばちゃんも仕事復帰時に断乳しました。しかし子どもはおっぱいを飲みたいと絶叫し、胸はパンパンで乳腺炎。高熱と痛みで動けず、ストレスで全身じんましんになり、まるでホラー映画の世界でした。

 卒乳は子どもが自ら飲まなくなるので、泣くこともなく、おっぱいトラブルもなく自然に終わります。あまり難しく考えず、飲むなら飲ませていきましょう。

 卒乳の時期も1~2歳、4~5歳くらいなどそれぞれです。「いっぱい飲んだからもういいの」とママに話して卒乳する子もいます。大満足しておっぱいを卒業するのです。

 母乳の悩みはさまざまで、夜の頻回授乳で体調不良など、ママの状況や子どもの様子などから、断乳を選ぶこともあります。しかしそれで落ちこむことはありません。自分と子どもにあったやり方を選んで良いのです。

 今は各自治体で産後ケアなども行っており、助産師に相談することができます。ひとりで悩まず、どんどん相談して、子育てを楽しんでいきましょう。(中山由香里)

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在はフリーの助産師として、講演会、新得町の産前・産後ケアなどを行う。61歳。

中山由香里さん