十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おばちゃん助産師の子育てエール(11)「『夜泣き』には終わりくる」

きょうだいが抱っこして、安心感を得て泣きやむことも。上の子も強い味方に

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。

 「夜泣き」は大変です。闇に響くわが子の泣き声、何をしても泣きやまず、訳が分からなくなり、ママも泣けてきます。

 おばちゃんも子育て中は夜泣きの洗礼を受け、当時はヘトヘトで過労死するかと思いましたよ(今も元気ですが)。

 なぜ赤ちゃんは夜泣きするのでしょうか?

 赤ちゃんは脳の発達が盛んで、レム睡眠(浅い眠り)の割合が高いため、目が覚めやすく泣いてしまうのです。9カ月頃には睡眠サイクルが整うので、夜泣きは収まってきますが、1~2歳まで続くこともあります。また、3~4カ月頃までは、感情コントロールが苦手なので、眠すぎても激しく泣くのです。

 ママの心の声は「眠いなら寝てくれ~」ですね。でもそれが上手にできないのが赤ちゃんなので、気長にお付き合いをお願いします。

生後2カ月の赤ちゃん。眠すぎて泣いている。


 対策としては、生活リズムや寝室の環境を整えて、赤ちゃんが朝、昼、夜を感じる工夫をしましょう。寝不足でも、朝はカーテンを開けて、光を浴びてください。二度寝してもいいので、朝日を感じることが大切。日中の散歩もおすすめです。

 夜泣きしていても、赤ちゃんはとても元気に成長しています。心配なのは疲れているママの心と身体です。

 ママは「母は強し、だから何でもできる」など母性神話に惑わされず、パパや周りの人に手助けしてもらってください。元気に子育てすることが大事なのです。

 どんなに強敵の夜泣きでも、子どもの成長とともに終わりが来ます。子どもが大きくなったとき、振り回された日々さえも、いとおしく楽しい思い出となりますよ。おばちゃんも、夜泣きで奮闘した日々を思い出すたび、コントのような夜だったと笑ってしまいます。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在はフリーの助産師として、講演会、新得町の産前・産後ケアなどを行う。61歳。

中山由香里さん