十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おばちゃん助産師の子育てエール(8)「バースプラン あなたらしくお産を」

産前ケアでお産のイメージを膨らませる妊婦。4歳の長男も一緒になって話を聞き、赤ちゃんの誕生を心待ちにしている(新得町、8月)

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。今回のテーマは「バースプラン」です。直訳すると、お産の計画です。

 これは自分らしくお産をするために、妊娠中の過ごし方や、どんなお産をしたいのか、陣痛の時はどう過ごしたいのか、パパと一緒に具体的に考えることです。

 妊娠後期に各病院のバースプラン用紙に、思いや希望を書き、自分だけのお産の計画として、助産師に伝えます。考えを伝えることで、お産への心の準備ができます。助産師は、バースプランをとても大事にしているので、全力で寄り添って応援してくれますよ。

 しかしお産は命に関わるものだから、バースプラン通りにいかないこともあります。「できた、できなかった」ではなく、出産後に自分なりに頑張ったと思えることが大切です。

 バースプランはすてきなものですが「何をどう書くのかわからない」と多くの妊婦さんは悩みます。

 まずはパパと一緒に考えて、言葉にしてみましょう。「こんなこと書いたら変かな?」なんて考えず、ドンドン書いてみましょう。

 それでも書けないと悩むなら「頑張る」「陣痛がこわい」「早く赤ちゃんに会いたい」など、今の気持ちを書いてください。難しい言葉ではなく、素直にそのまま書けばいいのです。例えば「陣痛がこわい」と書くことで、乗り越える工夫を考えることができます。助産師からも、心強いアドバイスがもらえます。

 気持ちを書くことで、漠然とした不安や思いに気付くことができ、それについて考えることができます。バースプランを通して、ママ、パパ、赤ちゃん、病院がひとつのチームとなり、満足のいくお産に向けて頑張ることができます。

 バースプランを手に、ワクワクした気持ちでお産の日を迎えましょう。あなたらしいお産ができますよ。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在はフリーの助産師として、講演会、新得町の産前・産後ケアなどを行う。61歳。

中山由香里さん