2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おばちゃん助産師の子育てエール(4)「母子手帳、親にも子にも宝」

幕別忠類中学校で生徒の母子手帳を手に出産について話す中山さん(2022年3月)

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。

 今回のテーマは「母子手帳は宝物」です。母子手帳(母子健康手帳)は、妊娠を届け出ることで自治体から交付され、手にすると「ママになるんだ」とうれしい自覚が芽生えます。1948(昭和23)年に母子の健康を守るため日本で誕生し、今では世界50カ国以上の国や地域で使用されています。

 母子手帳には、妊娠や出産の経過、小学校入学前までの健康状態、予防接種の記録、パパとママからのメッセージなど(書いてね)たくさんの内容が詰まっています。大切な成長記録であり、汗と涙の子育て奮闘記なのです。

 おばちゃんは中学生を対象に性教育の講演会で母子手帳について説明しています。各自に持参してもらい、それを見ながら、一人ひとりの生まれた時の様子などを話しています。

 母子手帳には、頑張っている自分の親の姿と愛情が見えて、思春期の子どもたちの心に深く響きます。授業の感想には「いろいろな人に助けられて、たくさんの人に愛されていることがわかった」「親にたくさん反抗してきたけど、感謝しなきゃと思った」「命を大切にしようと思った」「親の愛情があって今の自分がいる」「お母さんってすごいなあ。」(2022年3月、幕別忠類中学校の感想抜粋)など、素直な言葉がつづられています。

 子育て中は誰でも悩んだり落ち込んだりします。そんなとき肩の力を抜いて母子手帳を見ると、生まれてきてくれたことに感謝しながら頑張っている自分の姿や、わが子の成長の姿を改めて感じて元気がでてきます。

 ママたちに伝えたいことは、母子手帳とは親にとっても子どもにとってもずっと宝物だということです。母子手帳から力をもらって、楽しく子育てしていきましょう。

 誕生日には生まれたときのことを話しながら、子どもと一緒に母子手帳を見るのもいいですね。すてきな時間を過ごせます。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在はフリーの助産師として、講演会、新得町の産前・産後ケアなどを行う。60歳。

中山由香里さん