十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おばちゃん助産師の子育てエール(3)「ママも休もう」

新得町の産後ケアを行う中山さん(右)。困っていることにアドバイスを送り、母親に安心感を与える

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。春ですね。子育ても楽しくなる季節でワクワクします。

 さて今回のテーマは「ママも休もう」です。妊娠中からママは緊張の連続です。「お産がゴールではなく子育てにつながる」。そう思いながらも、まず無事に出産することを目標に頑張りました。

 子育てについては「出産さえ終えたらなんとかなる」「赤ちゃんは天使」「ママになったらどんなことも頑張れる」などなど、ほんわかと想像していました。想像通り誕生したわが子は天使のような愛らしさで、幸せな生活が始まります。

 しかし、すぐに予想外の出来事に遭遇します。天使がぐずり怪獣に変身するのです。不眠不休の子育てにママは疲労困憊(こんぱい)。「想像と違う」「できない自分は母親失格」とすっかり落ち込んでしまいます。おばちゃんはそんなママに伝えたいのです。

 子育ては初めてのことばかりで24時間営業です。とにかく大変。できなかったり、疲れてため息がでても当たり前なのです。悩まず気長にのんびりと赤ちゃんと付き合っていきましょうね。

 今、おばちゃん助産師の心配はママの心です。出産後は誰でも産後うつになりやすく、孤独を感じたり、疲れすぎたりするとあっという間に心が悲鳴をあげます。だからママには赤ちゃん中心の生活の中でも、自分のことも大切にしてほしいと思います。疲れすぎると心がポキッと折れちゃいます。

 「しんどいな」と思ったら、とにかく工夫して休みましょう(なんちゃってがとても大事です)。ちょっと休むだけでも、すごく元気がでてきます。ひとりだけで頑張らず、まわりに頼ってどんどん助けてもらいましょう。助っ人はたくさんいます。

 そしてママは天使のチビ怪獣とワイワイと楽しい時間を過ごしてください。応援しています。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在はフリーの助産師として、講演会、新得町の産前・産後ケアなどを行う。60歳。

中山由香里さん