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崖から崩落して砂浜に横たわるトーチカ(中央)。奥に見えるのはISTのロケット射場(6日大樹町浜大樹、塩原真撮影)

旬景~SORA PHOTO「過去と未来 戦争遺産トーチカとロケット射場」

塩原 真

十勝毎日新聞社 編集局デジタルセンター

伊東 武史

十勝毎日新聞社 編集局 コンテンツグループ

 十勝の海岸線には旧日本軍が米軍上陸に備えて造ったコンクリート製の防御陣地「トーチカ」が残存している。

 6月から9月にかけ、豊頃町から広尾町にあるトーチカをドローン撮影するため海岸線を回った。砂に半分埋もれるトーチカや崖から落ちそうなもの、海水に洗われ続けているもの。これまでに十勝沿岸では39基が確認されているが、当時のままの環境で残っているものは少ない。戦争の遺跡は、浸食され形を変えながらも残り続けている。

 2017年に確認された大樹町浜大樹のトーチカは、打ち寄せる波と当縁川による浸食で、20年に崖から崩落。付近は立ち入りができない状態になっていた。ドローンを上げ海方向から撮影すると、崖の下でトーチカがひっそりと横たわっていた。奥の陸地には町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST)の宇宙観測ロケットの射場が見える。海岸線には戦争遺構と未来を象徴する構造物が同居していた。(写真・文 塩原真)

旬景~SORA PHOTO「過去と未来 戦争遺産トーチカとロケット射場」【電子版ジャーナル】

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