河畔再生の水流 札内川ダム
【中札内】中札内村の札内川ダムで、22日から23日にかけて、河川にたまった土を下流へ流し、自然環境の再生を目指す「フラッシュ放流」が行われた。白煙のようなしぶきを上げながら、札幌ドーム約5個分の約750万トンが放水された。
札内川流域の大小の石で覆われた礫(れき)河原は、氷河期の生き残りとされるケショウヤナギやチドリ類など動植物の生息地。近年は土がたまり、樹林化が進んだことで礫河原が急速に減少していることから、小規模な氾濫を人為的に起こすことで、本来の自然環境を取り戻そうとしている。
夏の台風に備えてダムの水位を下げる放流も兼ね、2012年から年1回実施。上札内橋付近では水位が約1メートル高くなるという。
高低差約70メートルの放水口から、ごう音とともに、白い糸を引くように流れ落ちる水の姿は圧巻。札内川ダムの吉田一記管理支所長は「しばらく天気が良く、清流日本一に何度も選ばれている札内川の水だから、真っ白できれいなのでしょう」と話す。(取材・高田晃太郎、撮影・伊東武史、塩原真)