十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年6月号

特集/酒場をめぐる冒険

香り豊かな新・伊右衛門を試飲

Profile/吉野祐一氏 北海道ホテルのレストラン支配人。JSA公認シニアソムリエ、CPA公認チーズプロフェッショナルなどの資格を持つ

シニアソムリエ 吉野祐一氏 香り豊かな新・伊右衛門を試飲
「濃さ」はおいしさ リニューアルで増したうま味とコク

 伊右衛門は、老舗茶舗の福寿園(京都)とサントリーの共同開発で生まれ、今年で20周年を迎えた緑茶ブランド。香りとうま味の2種類の石臼挽(び)き抹茶を使用し、こだわりの一杯を提供している。

 今年の3月にリニューアルし、一層おいしさを増した伊右衛門。豊富なテイスティングの経験を持つシニアソムリエ・吉野祐一さんが、新旧の伊右衛門を飲み比べた。

 試飲を終え、「大きく変わりましたね」と驚いた様子の吉野さん。新しくなった伊右衛門を「見た目にも濁りがあり、茶葉の濃さを感じられます。深みがある味わいなのに口当たりは軟らか。苦みの中に甘みも広がります」と絶賛した。

右からサントリーフーズ北海道支社 量販二課課長代理 間苧谷(まおたに)直史さん、同課の木村奨さん
吉野氏「味が濃く、お茶本来の風味が感じられます」


 そして吉野さんが注目したのがアフターフレーバー(後味)の違い。「23年までの商品は苦みが少なくスッキリしていました。リニューアル後はお茶のうま味の余韻が長く残ります」。新しくなった伊右衛門の特徴をふまえ、「和食なら焼き物や揚げ物との相性が良さそうです」とアドバイスも。吉野さんをもうならせる深いうま味は、「ペットボトルのお茶」のイメージを覆す。

急須で緑茶を淹(い)れた時のような、美しい緑色の水色(すいしょく)


◇取材協力
北海道ホテル バード・ウォッチ・カフェ
帯広市西7条南19丁目1
Tel:0155・21・0001


※フリーマガジン「Chai」2024年6月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。