隠れた名著、教えます～ＢＯＯＫ（４８）「月夜とめがね」

　季節は移り変わり、景色も吹く風も日増しに秋を感じさせますね。秋の夜長にじっくりと読んでほしい本をご紹介します。

　月がきれいな晩、主人公の老婆の元に突然現れた一人の男。男は「眼鏡屋」と名乗り、大きなスーツケースを広げて、老婆に眼鏡を見せます。かける人によって見え方が違うという不思議な眼鏡。最近物が見えにくいと感じていた老婆は、眼鏡を手に取ります。ある日、けがをした少女が「治療してほしい」と老婆の家を訪れました。眼鏡を通じて見えた少女の姿とは…。

　人気作家と、書籍の装画やＣＤジャケットなどで活躍するイラストレーターがコラボレーションした作品。夜の暗闇や月光が美しい色彩で描かれている幻想的な一冊です。

＜月夜とめがね＞
立東舎
小川未明＋げみ
１，９８０円

◆教えてくれた人　
岡書　西帯店　大泉香奈さん
大学卒業後、オカモトに入社して夢だった書店員となり今年で６年目。十勝の同系列店で経験を積み、現在は岡書西帯店のチーフとしてスタッフをまとめる。

＜岡書　西帯店＞
帯広市西２１条南３丁目３８－１１
Ｔｅｌ：０１５５・３８・３６１１

◆隠れた名著、教えます～ＢＯＯＫ
十勝管内の書店に教えてもらった名著を紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Ｃｈａｉ」２０２３年１０月号より。