十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おばちゃん助産師の子育てエール(9)「『良いお産』かはママ次第」

32週を迎えた初産のママ(中央)に、出産の流れを説明する中山さん(右。9月、新得町)

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。

 今回のテーマは「満足のいくお産」「良いお産」をしようです。

 これはママたちの頑張りを知っているおばちゃんの願いです。しかし、どうしたらいいのか? 分かりませんよね。難しく考えないでください。ママもパパも赤ちゃんも、みんなで頑張ったと思えることが「満足のいくお産」「良いお産」なのです。

 前回のバースプランでも話したように、妊娠中から心と身体を整えて、赤ちゃんの誕生を楽しみに、ワクワクの毎日を過ごすこともとても大事です。

 「難産だったから良いお産ではない?」そう思うママもいます。もちろん安産だとうれしいのですが、難産だったとしても、大変な状況を乗り越えたのですから「良いお産」なのです。とても立派です。自信を持って、頑張った自分をしっかり褒めてあげて下さい。

 急に帝王切開になったことで「自然に産めなかった、思っていたお産ではない」と落ち込むママもいます。経腟分娩(けいちつぶんべん)か帝王切開かは、単にお産の方法の違いです。目的地にバスで行くのか、車で行くのかと同じです。乗り物が違ってもちゃんと目的地に着きます。

 お産も同じです。産む方法に違いがあっても、頑張って出産したことに変わりはありません。何よりも、急に手術という非常事態の中でお産したママはすごいです。

 「良いお産」の判断は、ママがしていいのです。「お産の時、人生で一番頑張った」と多くのママから聞きます。その通りです。だから自分自身に、大きな花丸をつけて「良かった」と思って下さい。お産で満足感や充実感を感じると、産後のうつや育児ストレスが少なくなると言われています。

 ぜひぜひ「満足のいくお産」、「良いお産」をして、楽しく子育てしていきましょう。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在はフリーの助産師として、講演会、新得町の産前・産後ケアなどを行う。61歳。

中山由香里さん