隠れた名著、教えます～ＢＯＯＫ（２８）「きれいな色とことば」

　私にとって本は近くにあるのが当たり前で、例えるなら携帯電話と同じ存在。出掛けた際に忘れてしまうと、落ち着かなくなってしまいます。

　仕事も私生活も書籍に囲まれた“本の虫”である私がお勧めするのが、「きれいな色とことば」。高校時代に学祭の古本市で出合ったこの本は、著者のおーなり氏が実生活で目にした景色や、さまざまな感情を色に例えてつづったエッセイです。色とりどりの言葉たちが心に染みて、優しい気持ちにしてくれます。

　印象に残っているのはおーなり氏が下校時、どしゃぶりの夕立後に広がった青くまぶしい空「夕焼け」ならぬ「青焼け」に出合った話。温かな色で描かれた挿絵もすてきで、まるで著者からの言葉と絵の贈り物です！

＜きれいな色とことば＞
おーなり由子著
講談社文庫　８００円（税別）

◆教えてくれた人　
岡書　イーストモール店　山下美冴さん
本が好きになったのは幼少時期で、「母に読み聞かせをしてもらった経験から」。書店員歴は今年で１１年目、現店舗では児童書を担当している。

＜岡書　イーストモール店＞
帯広市東４条南１６丁目６
Ｔｅｌ：０１５５・２８・３７２８

◆隠れた名著、教えます～ＢＯＯＫ
十勝管内の書店に教えてもらった名著を紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Ｃｈａｉ」２０２２年２月号より。