帯広市開拓140周年記念事業 ポスター展
時の流れを語るポスターが一堂に! 「百年記念館40年のあゆみ」開催中
「晩成社」が帯広に開拓の鍬(くわ)を下ろしてから100年の1982(昭和57)年、十勝の総合博物館として開館した「帯広百年記念館」は今年40年の節目を迎えました。これを記念して「百年記念館40年のあゆみ」展が10月22日(土)から11月13日(日)まで同館2階で開かれています(入場無料)。担当の池田亨嘉(いけだ・ゆきよし)学芸員に見どころなどを聞きした。
第1回からの50枚を展示
百年記念館は開館した1982年から毎年、企画展を開催しています。その時どきのポスターを一堂に集めたのが今回の企画展です。それぞれについてどんな展示だったのかを説明し、当時の新聞記事や写真を添えて展示しています。40年ですが展示ポスターは50枚になります。第1回特別展はオープンした年の「画家とキャンバスの世界」展でした。十勝に住み、その風土と心象を描き続けた物故作家の能勢眞美、神田日勝、寺島春雄、伊藤隆二の代表作23点を展示しました。
自然への関心高まる
ポスターを見ることで、来館された人のそれぞれの思いがよみがえることでしょう。来場者が多かった企画は、「発掘された日本列島」(2007年)、「北方圏文化を考える」(1984年)、「樺太アイヌ民族誌」(2004年)などです。「そのときのとかち」展は十勝中から5000人を超える入場者がありました。戦争の語り部の方々からお借りした戦時中の生活用具や兵隊に持たせた寄せ書き入り日章旗などを展示しました。個人的には、入館してすぐに担当した「トリ・鳥・とり展」(1993年)、「みどりの血管〜水辺のレッドデータたち〜」(2001年)が心に残っています。自然を身近に感じる企画が多くの市民の関心を集めるようになりました。
地域の再発見、見直しにつなげて
ポスターを眺めながら企画を振り返ると、時代とともに住民の嗜(し)好も変わることが分かります。最初のころは「美術館を建てよう」ということや「生活、北の暮らし」的なものへの関心が高かったのですが、やがて野生動物、アイヌ民族、考古学に関する企画が多くなってきました。来場者にはこうした変化を見ながら、地域の再発見、見直しにつなげて頂ければ、と思います。
<お話を伺った帯広百年記念館博物館係長 池田亨嘉さん>
桧山管内江差町生まれ。帯広畜産大学卒。農水省勤務中に学芸員資格を取得。1993(平成5)年、百年記念館に。野生生物・農業担当学芸員
■開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
■休館日:10/24,31 11/4,7
■http://www.museum-obihiro.jp/occm
■住所:〒080-0846 帯広市緑ヶ丘2番地
■Tel:0155・24・5352
■Fax:0155・24・5357
■主催:帯広市教育委員会 帯広百年記念館
■共催:帯広百年記念館 友の会
※フリーマガジン「Chai」2022年11月号より。
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