2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon(89)「英国エリザベス女王の訃報によせて」

 英国中がエリザベス女王の訃報に衝撃を受け、涙を流しました。その2日前に新しく首相となったリズ・トラス氏と面談したすぐのこと。私も、亡くなる4日前にロンドンのバッキンガム宮殿に十勝出身の大学生を案内したばかりでした。

 毎年8月の1カ月間だけ女王の公邸が一般公開されます。世界各国の国王や大統領などが集う大広間や贈答品が展示されるギャラリー、ロイヤルコレクションと称される世界中から集められた絵画や財宝は、息をのむほど。ロンドン観光は飛行機代も宿泊費も安くはありませんが、バッキンガム宮殿の内部を見学できるので本当に価値があります。その宮殿の前で「Hello, Your Majesty(こんにちは、陛下)」と写真を撮ってから数日後の出来事に信じられない気持ちでいっぱいでした。訃報から10日間、毎日エリザベス女王即位70年の歴史が特集され、国中が喪に服していました。

 BBC国営放送では“日本の天皇が到着した”と報道され、インデペンデント新聞は「神道の国日本の天皇が異文化の葬儀に参列するのは歴史上初めてのことだ」と、日本国旗のついた飛行機から天皇が降りる写真と共に紹介。悲しい雰囲気の中、日本人であることを誇りに思った瞬間でした。

英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon
幕別町出身、英国Devon在住のマリノ みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2022年11月号より。