2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon(41)「Bland taste?? ; P」

 イギリスの日曜日といえば、家族で集まってローストディナーを囲むのが伝統です。そこに欠かせないのがグレイビーソース、イギリス人のソウルフードと言っても過言ではないかも(笑)。基本はお肉を焼いた時の肉汁をもとに調味料で味を調整し、各自お皿に好きなだけかけるのですが、近年は脂を控えるためなのか?市販されている脂肪分控えめ表示の、粉または粒状になったインスタントを使います。

 「イギリスの料理はおいしくない」というのは世界の常識ですが、それは日本をはじめとするアジア圏やヨーロッパの美食の国とは違い、“だし”となるうま味を調味料としないことが原因かと感じます。基本的に使うのは塩・こしょう、時々ハーブ。固形やジェリー状のスープストックも豊富に市販されていますが、それらは一般の家庭では使いこなされていません。海外在住経験があって外国の食文化が好きだったり、料理に興味があったりして、うま味を引き出すために使う人もいるようですが、多分人口のひと握り…。

 大体、フィッシュ&チップスの魚だって下ごしらえ(塩・こしょう)がされている気配はまるでなし。悲しくなるほどに味覚が大ざっぱです。

英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon
幕別町出身、英国Devon在住のマリノ みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するChaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2018年11月号より。
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