英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然ｔｗｅｅｔ＠Ｄｅｖｏｎ（４６)「住めば都?ではなかったイギリス　Part.1」

　在英6年、顔を合わせるのも、言葉を交わすのも99％がイギリス人。最近はBBC（英国国営放送）が流す日本の特集番組に母国への思いをはせる日々です。

　引っ越して来たばかりの頃、私が日本人だと知ると「Japanese people are very polite, aren’t they? ～日本人は相手を思いやる、とても礼儀正しい国民なのよね～」と聞かれていました。その当時は「そう? イギリス人の礼儀正しさや、満員電車でも人に接触しないよう気遣うマナーは日本人以上だと思うけどなぁ」なんて“イギリス至上主義”。この冬休み、十勝の高校生たちがDevonへホームステイにやって来ました。わが家のティーンエイジャーとは比べものにならないほど礼儀正しいし、自立している! この時私は急にイギリス人目線になり（笑）、日本人には品格があることを肌で感じ取ったのです。

　残念ながらこの国には“恥じらい”という言葉が存在しないように感じます。公共の場でのマナーが身に付いていない大人も多く、そういう家庭で育った子どもたちは大人になっても学ぶことはありません。福祉の国イギリスですが、精神的、経済的に自立できている大人の割合が圧倒的に低く、国の補助は追いつかないのが現実。これは階級社会イギリスの大きな欠点でもあります。

◆英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon
幕別町出身、英国Devon在住のマリノ みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2019年4月号より。
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