英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然ｔｗｅｅｔ＠Ｄｅｖｏｎ（５２)「古いものをこよなく愛するイギリス」

　いまだに時々ギョッとするのが“古い建物をいつまでも再利用するイギリス文化”。わたしがお気に入りのレストランは「昔病院だった建物を改装したのよね」とか、生まれた病院の話を振ると「WAITROSE（イギリスの高級スーパーマーケット）の野菜売り場のあたりで生まれたの」とか（笑）。最初は意味がわからず目が点になったものですが、あぁ～そういうことか、と即座に反応できるようになりました。古い建物は取り壊さず、改装して全く違う用途にするのがこの国流。日本人的には、元病院がレストランなんて少々不気味な印象を受けますが、風水などにも無頓着な国なので実は合理的な活用法というところでしょうか。

　しかし、この20年の間にイギリスの紅茶文化が衰退していると危惧する声も。ある新聞記事によると、コーヒー党が増え、ビスケットの消費量も年々減少しているとのことです。休憩には何はともあれ「Would you like a cup of tea? ～紅茶でもいかが?～」だったのが、「Shall we grab some coffee? ～とりあえずコーヒー飲む?～」が最近の常識のようで、身の回りでもその台頭を感じる今日この頃。アルコール飲料にも流行が影響し、以前は「とりあえずビール」だったパブ飲みも、ジン＆トニックを筆頭にカクテルが大ブーム。ジン専門のお店では、バーテンダーがジンについての知識を熱く語るのです。

◆英国から十勝を想う…マリノみどりの徒然tweet@Devon
幕別町出身、英国Devon在住のマリノ みどりさんが英国の日常や文化などを紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2019年10月号より。
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