隠れた名著、教えます～ＢＯＯＫ（８）「店長がバカすぎて」

　2020年の本屋大賞にもノミネートされた、注目の1冊。インパクトがあるタイトルを見て、思わず手に取ってしまいました。物語の舞台が本屋ということで、個人的にも親しみを感じます。

　主人公の京子は書店の契約社員。大好きな本に囲まれてやりがいを感じているものの、話が通じない店長や尽きない雑務によって、心が折れる寸前です。唯一の理解者だった先輩も店を去り、京子は仕事を続けることに疑問を感じ始めて…。

　お仕事ドラマであり、コメディーでもあり。働くすべての人に、元気をくれる物語です。そしてラストには、ミステリー小説顔負けのどんでん返しも! 読む人を夢中にさせる仕掛けが、盛りだくさんに詰まっています。

＜店長がバカすぎて＞
早見和真著
角川春樹事務所
1,650円

◆教えてくれた人
宮脇書店　帯広店
蜷川（にながわ）勇さん
同書店の副主任。書店員歴は約20年で、雑誌、学習参考書などを担当する。客のニーズに応えるべく、道内作家の新作や映像化される書籍のチェックを欠かさない。

＜宮脇書店 帯広店＞
帯広市稲田町南8線西10-1
イトーヨーカドー2F
Tel：0155・49・6211

◆隠れた名著、教えます～BOOk
十勝管内の書店に教えてもらった名曲を紹介するChaiの連載です。
※フリーマガジン「Chai」2020年5月号より。