2023年3月号

特集/ととのえる、春

【シニア】凝縮された生の手触り 青木亮人著「教養としての俳句」

 俳句を教養として学び、味わうための俳句研究者による入門書。初心者向けと思って侮るなかれ。「俳句を通じて生き方がどのように変わり、いかに深まるのか」を読者と共に考えるのが、本書の主眼だ。

 俳句を知る上で欠かせないのが「写生」の概念。「ありのまま、見たままを詠む」という理解から一歩進み、「生きていることの手触り」こそが写生だと本書は語る。近代俳壇の重鎮・高浜虚子の「スリッパを 越えかねてゐる