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動物たちの恵みに

真冬のオホーツク海に広がる、見渡す限りの氷の世界。極東のアムール川から流れ出る淡水が凍り、流氷となってオホーツク海に漂着する。南下するにつれて大きく成長し、氷とともに植物プランクトンなどを運んでくる。運ばれてきた栄養は、海に溶け出し動物たちに多くの恵みを与えている。

温暖化などの影響で接岸に遅れ

オホーツク海の流氷は、温暖化などの影響で、流氷が接岸しなかった1989年以降次第に勢力が弱まっている。網走では2016年、船舶の渡航ができなくなる流氷の初接岸は2月22日に。1959年の統計開始以降、最も遅い記録で、全国的な話題となった。オホーツク管内斜里町のウトロ地区でも初接岸は年々遅れ、迫力のある流氷が見られる期間が少なくなってきている。

地平線までびっしりと

一夜にしてオホーツク海の沿岸に接岸し、風向きや気温などの影響によって、翌日には姿を消してしまうこともある流氷。シーズン真っ盛りには、海沿いに氷と氷がぶつかりきしむ音が響き渡る。ウトロ地区の海岸沿いを走る国道334号線には多数の撮影スポットがあり、地平線までびっしりと広がる流氷を目当てに、毎年多くのカメラマンが集まる。

氷上を歩く人気の「流氷ウォーク」

ウトロ地区では、流氷の上を歩く「流氷ウォーク」が人気だ。参加者はドライスーツを着用し、大きな氷の上を慎重に進む。万が一足を踏み外して海に落ちても、ドライスーツが浮力になって海面に浮かぶので安心だ。氷と氷の隙間からは、日によってはクリオネの姿を観察することもできる。流氷が接岸したばかりのウトロ地区の海岸では、蓮の葉状の薄い氷と、厚みのある氷が混じりあい、ブルーの海と白い流氷のコントラストが美しい。流氷がびっしりと接岸すると、海岸は地平線まで雪原さながらの様相を見せる。

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知床・斜里町ウトロ

帯広から国道242号線→国道241号線→国道240号線→国道334号線を経由で約4時間半