31日で閉店する道内唯一の地場資本百貨店・藤丸(帯広市、藤本長章社長)は、30日も開店直後からにぎわいを見せている。きょうが最終日の人気催事「オールTBS&HBCおめざ感謝祭」には行列がいくつもでき、売り尽くしに入った各階の売り場などにも多くの人が集まっている。最終日の31日は、買い物客への日本酒限定プレゼントや、閉店セレモニーなどが企画されている。
★勝毎電子版の特設ページ「ありがとう藤丸さん」
藤丸によると、週末の28、29日は終日店内が混雑した。特におめざ会場は前年比2倍近くの売り上げと好調。天候悪化で販売を休止していた「赤福」も復活し、一時的に7階から1階の階段まで行列が続いた。
30日は午前9時半に正面玄関が開かれ、開店時にはおめざ会場の7階前には100人近くが集まった。また、揚げたてが提供される地下1階の「かま栄」の売り場も行列ができていた。市内の主婦垣やよいさん(86)は「50年以上毎週通い、食品も衣料も雑貨も藤丸で買っていた。閉店後はどこで買えばいいのでしょう」と悲しげだった。
店内はすでに品薄状況の売り場もあるが、現品限りやセール特価品がずらりと並ぶコーナーもある。竹成仁史営業部長は「ラスト2日間で売り尽くしの均一商品がさらに増える」と話していた。
31日には、藤本社長らと経営者が親類に当たる国稀酒造(留萌管内増毛町)から寄贈を受けた「国稀」の文字入りの清酒(180ミリリットル)を、レシートを持参した買い物客に先着順に贈呈する。限定1000本で、買い物の金額は問わないが1人1本とする。閉店セレモニーは午後7時から1階で開催し、藤本社長のあいさつなどが行われる予定。(佐藤いづみ、吉原慧)
■31日午後6時半から藤丸の閉店セレモニーの様子を電子版で生中継する。勝毎電子版トップページと特設ページで閲覧できる。