小樽市
2003年に日本銀行の広報施設を兼ねた金融資料館として再オープン。2002年9月に札幌支店に統合されるまでは実際に営業されていた。1912年に完成したレンガ造り地下室付2階建て、建坪約1060平方メートルの建物は、小樽市指定文化財に指定されており、外観や内装は当時の雰囲気を今に残している。現在は、一般に無料開放されており、年間10万人の来館者でにぎわう。
小樽の穀物相場がロンドン相場に影響を与えるほど経済力があったとされ、大正時代には、日銀旧小樽支店が建っている色内大通り周辺に、札幌や函館を上回る19カ店の銀行が立ち並び「北のウォール街」と呼ばれていた。中でも日本銀行旧小樽支店は、赤レンガで有名な東京駅の設計者として知られる辰野金吾氏や、その弟子の長野宇平治氏らが手掛け、建物の存在感は当時からひときわ異彩を放っていたとされる。内壁や外壁に30体施されているシマフクロウをモチーフにした塑像や、柱がない大きな吹き抜けの空間となっている営業場、岐阜県赤坂産の大理石を使った営業場カウンターなど、随所に手の込んだ造りとなっている。現在は、金融資料館として一般開放され、日本銀行の歴史や業務の紹介、第二次世界大戦後に発行された紙幣の実物展示、実際に利用していた金庫を開放し、1億円の持ち上げる体験コーナーなどを楽しむことができる。
十勝からのアクセス
帯広から約250キロメートル。自動車で高速道路を利用(道東自動車道〜道央自動車道〜札樽自動車道)して約3時間半。2011年10月に道東道と道央道が直結したことで、帯広―小樽間の所要時間は30分以上短縮された。