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夜のミーティングを終え、第二夏期隊員宿舎へ帰る途中にレーダーテレメーター室(RT棟)に寄った。RT棟の壁は木造で昭和基地の中でも古い建物の一つだろう。門倉昭隊長によると「オーロラに向けてロケットを打ち上げていた。RT棟は隊員の観測場所だった」という。12次隊からロケットによるオーロラ観測が始まり26次隊までロケットの打ち上げ観測が行われていた。その後は大気球の放球拠点にもなっていたという。
私が訪れたのは2回目。1回目は雪の降る午後11時だった。今回は夕日が差し込み内部は明るい。観測機器がそのままの状態で残っている。移動式の黒板には記念で書いた隊員の名前がびっしりとあった。壁には観測ロケットを打ち上げた手書きの記録が張られていた。
複数の隊員から「お化けが出る」と聞き、私も“迷所”めぐりの一つとして中に入った。当時この建物で観測した人が聞くと寂しく感じるのだろうか。