JA帯広かわにしなど管内10JAで生産する「十勝川西長いも」の春の収穫が始まっている。昨年12月にナガイモにとって「保温材」となる雪が降らなかったことで凍害が心配されたが、出来は上々だ。
帯広市基松町の八代和樹さん(38)の畑では9日午前4時すぎから作業を開始。重機で1メートルほどの溝を掘り、家族やパートの作業員らが土の中からナガイモを掘り出していた。
十勝川西長いもは秋に収穫するが、一部は土壌中に残し、翌年の春に掘り出している。春掘りナガイモは昼夜の寒暖差によるきめ細かい真っ白な肉質と粘りが特長。今年は1万トン程度の収穫を予定し、2割程度は米国や台湾などに輸出される。
JA帯広かわにしによると、今冬の帯広市は積雪が遅く、強風による被害も確認されたが、気温は下がりきらず凍結はナガイモの「首」に見られる程度という。八代さんは「越冬したナガイモは甘みが増し、おいしい。多くの消費者の手に渡ってほしい」と話していた。(松崎篤嗣)