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映像を通して支える~人の気配

映像ディレクターの北山大介さん

 ミュージシャンの周りのさまざまな職業を紹介するこの連載。3年以上経過してもまだ尽きることはない。今月は、映像という角度から僕を支えてくれている北山大介さんを紹介したい。

 映像ディレクターである北山さんとは、ミュージックビデオはもちろん、ライブ映像の作品も多く世に送り出している。もちろんクルーでの撮影になることが多いが、北山さんは監督として中心にいながら、自ら撮影もする。なので、作品によっては北山さんと1対1で挑むこともあった。例えば、山に登ったところで朝日を待ちながらの撮影や、渋谷のど真ん中で突然カメラを回したり。フットワークの軽さを重視したい時はその手法を取る。他のスタッフがいない不安は特にない。

 そして、何より僕が信頼しているのは、僕の楽曲への理解度である。それは何年もかけて、何度も作品を作ることで少しずつ深まるもの。「初めまして」で撮れるものではないと僕は思っている。もちろん「初めまして」ならではの斬新なアイデアなど、一長一短を分かった上で、ここぞという時には北山さんにオファーをする。そうやって気がつけば10年以上の月日が流れた。『Crybaby’s Girl』のミュージックビデオをふと思い出す。ただただ北山さんと2人で街を歩き、最後のオチを考え、そのためだけにメークさんを呼んだこの作品も、北山さんとだから生まれたものだ。

 最近では、北山さんが主催するイベントや、配信コンテンツで僕がライブをするということも増えた。特にコロナ禍ではお互いを励ますように、それを言葉ではなく一緒に映像を作ることでやってきたという感覚がある。冒頭に戻るが、映像で僕を支えてくれているとはそういうことである。

<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。帯広柏葉高卒。Riddim Saunterを解散後、ソロ名義での活動を続ける。V6への楽曲提供が話題になるなか、最新作『KOKORO EP』に続き、『おぼろげ』がリリースされたばかり。

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