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マラソンで十勝の魅力実感 飲食復活や車いす部門の本格化要望も

朝日に照らされた紅葉の下を走るランナーたち(金野和彦撮影)

 30日に帯広市内で行われた「2022フードバレーとかちマラソン」(実行委員会、帯広市主催)は、3年ぶりの実地開催で3777人が完走した。大きなトラブルや混乱はなく、ハーフマラソンを走った参加者からは十勝を駆ける大会への好意的な声が数多く聞かれた。(松村智裕、完戸雅美、山田夏航)

 晴れて風も穏やかな絶好の「マラソン日和」だったこともあり、札幌市の片岡慎介さん(40)は「青空と十勝の風景が素晴らしく、気持ちよく走ることができた」。苫小牧市の内藤宏志さん(47)は「初めて走ったが沿道の応援が多くて力になった」とゴール後に充実した表情を浮かべていた。

 今回は車いす部門が試行的に初めて設けられ、12人が出場。500メートルと短い距離だったが、笑顔で楽しむ姿があった。

 道内外の車いすマラソン大会に出場し、競技歴約40年という浦幌町の阿部礼子さん(72)は「初めて帯広を走ることができてうれしかった。次はだんだん距離を伸ばしてほしい」と本格的な開催を要望。一方で重度障害者や初参加の人たちは新設自体に達成感を得ていて、車いす部門の今後の方向性が注目される。

 また、大会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、従来からの変更が少なくない。ゴール付近恒例の飲食ブースは設けず、沿道での食べ物提供や自作ドリンクの設置、楽器演奏による応援もなしに。ランナーの表彰式も取りやめた。選手の応援に来ていた女性は「すぐ会場を出るよう促されている感じがする」と残念そうだった。

 大会名に「フードバレー」を冠しているだけに「十勝の味覚を食べたかった」との声も。根室管内別海町の北山洋さん(43)は「他の大会だと(飲食ブースを)設置しているところもある。来年こそはお願いしたい」と話した。実行委は「従来通りの大会を期待する声があるだけに、コロナ対策を踏まえながら検討したい」としていた。

 今大会のエントリー数4497人は前回の実地開催(19年)と比べると1433人少なかった。野村勉実行委員長は「今回は天候面のコンディションが最高で、ランナーは十勝の大会の魅力を再認識してくれたはず」とし、「大会は昨年で10回の節目を迎え、今年新たなスタートを切った。来年以降はさらに参加者が増えてくれれば」と期待を寄せていた。

サッカーボールのコスプレで出場した喜多さん

「地元走る喜び格別」コスプレ満喫
 多くのランナーが実地開催を待ちわびていた。サッカーボールのコスプレでハーフを完走した幕別町札内北小教諭の喜多進さん(62)=帯広市=は大会の常連。「北海道マラソンや東京マラソンも出場しているが、地元を走る喜びは格別です」と話した。

 桜美林大2年の浅田大晴さん(20)=神奈川県=は白樺学園高出身。「中学、高校時代に出ていた大会。大学生としてようやく出られた」と笑顔を見せた。

 帯広市の國松芳枝さん(36)と帯広栄小3年の長女祥子さん(9)は人気ゲーム「マインクラフト」のキャラクターにふんした。「娘は小1の時から出たがっていたのでようやくです」と芳枝さん。周囲から注目を浴びながら2・5キロを走り切った。

 音更町の漫画家横山裕二さん(45)は3年ぶり2回目の出場。「前回よりも多くの人に声を掛けてもらいうれしい。きつかったけど来年も出たい」と意欲を新たにしていた。

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