雨の日も雪の日も、ごみ拾い続け3年 幕別の栗生さん
【幕別】幕別町札内の栗生政美さん(71)は、札内清柳大橋からリバーサイド幕別工業団地(札内みずほ町)付近の清掃活動を3年間続けている。雨の日も雪の日も、週2回ほどのペースでごみを拾い、「元気なうちは今のように1人で続けたい」(栗生さん)と意欲を見せている。
栗生さんは足寄町出身。足寄小、足寄中卒業後、帯広市内を中心にさまざまな職に就き、20代後半から岩谷産業(東京都・大阪府本社)の関連会社でプロパンガスの点検業務などを担当。2018年に退職した。
清掃活動は19年、散歩ついでに始めたのがきっかけ。清柳大橋から幕別工業団地にかけては、大型トラックの往来も多い道路。「落ちているごみが気になって拾い始めた」という。
落ちているごみはたばこや酒缶、マスクなどさまざま。冬場は雪に隠れて拾えるごみの量が減るが、12月でも70リットルのごみ袋が2~3袋になる。始めた当初は、拾っても拾っても捨てられているごみを目の当たりにし、「なぜ自分が出したごみを自分で片付けないのか」と憤りを感じた。
そんな中でも、地域住民らが「ご苦労さん」と声を掛けてくれることが力になった。いつしか「自分が拾わないともっと汚くなる」という使命感にも似た思いで活動するようになっていた。クリスマスの時期にサンタクロースの衣装に身を包みごみを拾うと、声を掛けられる回数も増えた。
栗生さんは「自分は何の取りえもないので偉そうなことは言えない。でも当たり前のこととして、自分で出したごみは自分で正しい場所に捨ててほしい」と訴える。(本田龍之介)