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コロナ禍で帯広にUターン移住 海外の建設ITサービスを提供するコンストテックの石川さん

「世界を見据え、建設業界に貢献していきたい」と話すコンストテックの石川さん

 海外の建設IT関連の輸入販売・サポート事業などの会社を経営してきた石川亮太さん(35)は、学生時代を過ごした帯広市内に神奈川県からUターン移住した。コロナ禍でテレワークが定着し、国内外の顧客ともオンラインビジネスが中心になっていることから、市内に拠点を移し、建設DX(デジタル・トランス・フォーメーション)を加速させる日本初のサービスを展開している。

 石川さんは、神奈川県生まれ。両親が北海道出身で、12歳から帯広に住み始めた。帯広柏葉高、東京都立大卒業後、清水建設(東京都)に就職し、施工管理職として7年間国内外の現場に従事。その後も大手メーカーやベンチャー企業で建設に携わった。担い手不足や長時間労働など業界の大変さを肌で感じてきた経験から、建設業をサポートしていきたいと、2020年1月に独立。5月にコンストテック株式会社を設立した。

 7月からは新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務に。アウトドアが好きな石川さんは、自然が身近にある環境で子育てをしたいと妻と2人の息子(6歳と4歳)とともに今年10月に帯広に移った。

 コンストテックは、日本で初めて、建設の設計・施工管理を最適化するBIM/CIMコミュニケーション一元化ツール「Revizto(レビツト)」のサービスを建設会社などに提供。遠隔地とリアルタイムに3Dモデルや図面などを共有できるシステムで、共同作業を効率的に進め、テレワークも可能にする。

 レビツトは世界150カ国以上16万人に活用されている。日本総代理店である同社でも、昨年11月の提供開始から東京や大阪、名古屋など全国規模の20社へ導入実績があるが、道内ではまだない。

 石川さんはBIM/CIMについて「日本は海外より導入が遅れており、特に地方の中小の建設会社は(資金面や技術、人手などで)壁にぶつかる。十勝の企業ともつながりながら仕事をしていきたい」と話す。

 移住してからは、社員3人とチャットを活用して業務をしており、子育てなどそれぞれのライフスタイルに合った柔軟な働き方ができ、業務効率も向上した。

 今後は海外で使われている建設システムの日本への導入や、自社で新たに開発するなど事業を増やしていく考えで、「十勝にいながら、日本だけでなく世界を見据え、建設業界のサポートをしていきたい」と意気込んでいる。(大海雪乃)

<BIM/CIM>
 ビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング。従来の2次元図面を用いた建設生産プロセスを見直し、3次元モデルなどを活用して生産性を向上させる。国交省は2023年度までに小規模を除く全ての公共工事での原則適用を示している。

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