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つながる道東道~道央直結10年(下)「4車線化」

4車線化に向けた付帯工工事が進む十勝清水IC-トマム間(ネクスコ東日本提供)

速い輸送、新事業に道 占冠―清水間で着々
 「道東道の今後の4車線化は、十勝の新しい発展の扉を開くと信じている」。十勝地区農協組合長会の有塚利宣会長は期待感を高める。

 道東自動車道は計画時に交通量が見込まれず、暫定2車線(片側1車線)で整備された。近年は道路の延伸で交通量は増え、2016年の台風災害を機に4車線化(片側2車線)の機運が一気に高まった。

 4車線化は通行止めの減少や、速度制限の緩和による所要時間短縮などの効果が見込まれる。国土交通省がまとめた「高速道路の通行止めワーストランキング」によると、16年度は道東道の占冠インターチェンジ(IC)-トマムIC間(上り線)が全国ワースト。事故が発生すると、上下線ともに通行止めとなるケースが多いが、4車線化によって片側通行が可能となる。

制限速度100キロ
 現状70キロ制限の速度規制は100キロに引き上げられる見込みで、道東道とかち連携協議会の野村文吾会長は「4車線化はスピードアップにつながり、物理的に距離が縮まる」とメリットを指摘。観光客のさらなる誘致や、十勝の人が「外」の世界を気軽に見られるようになることに期待を寄せる。

 十勝地区トラック協会の梶竹征会長は「より円滑な輸送ができ、ドライバーの負担軽減にもつながる」とし、帯広商工会議所の川田章博会頭は「低速で走るトラックと他の車の車種分けができ、ストレスなく走れて安全性が高まる」と語る。

 有塚会長は「走行時間が短縮されると、ニンジンやタマネギなどを細かく切って袋に入れ、低温で運ぶなど、実需と直結した形で届けることができる」と新たな展開を見据える。

 国は19年、道東道の千歳恵庭ジャンクション(JCT)-十勝清水IC間(約123キロ)を含む全国880キロの暫定2車線区間で、10~15年をかけて、優先的に4車線化を進める計画を公表。同年3月に十勝清水IC-トマムIC間(20・9キロ)の9・5キロで4車線化の事業許可が下りた。上り線に追い越し車線が整備されていた3・1キロ部分は、舗装工事に合わせて下り線も広げ、同年9月に4車線化を図った。

清水は来春に本工事
 残る6・4キロ部分は昨年10月に付帯工工事に着手。工事用道路や、高速道路の下を車両が通行するための「ボックスカルバート」の延伸などを行い、冬季の工事休止期間を前に、ほぼ完成した。来年3月末までに完了し、来春には本体工事に着手する。

 今年3月に事業許可が下りた同区間の3・2キロ部分と、昨年3月に許可が出たトマムIC-占冠IC間(26・2キロ)のうち、4車線化されていない19・9キロ部分については、来年度まで詳細設計を行う。

 十勝管内の各業界が待ち望む4車線化事業は着々と進み、ネクスコ東日本北海道支社帯広工事事務所の吉原豊所長は「1日でも早い完成を目指し、事務所一丸となって取り組む。完成した部分から順次供用させていきたい」と話している。(津田恭平、おわり)


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