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緊急宣言「延長」6割 「十勝を特定地区に」57% 勝毎ネットアンケート

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 12日に期限を迎える緊急事態宣言について、十勝毎日新聞社は6、7日に十勝管内在住者を対象に意識調査を行った。宣言を「延長すべき」と考える人は6割超、十勝を「特定措置区域にすべき」とする人も6割近くに上り、管内でも感染者が増える状況に住民の不安が高まっている。

感染増加を懸念 経済打撃も心配
 インターネット上でアンケートを行い、20~70代の141人が回答した。

 宣言を「延長すべき」と答えたのは61・7%。理由は「学校のクラスターが増え、感染者数が高止まりで減っていない」など感染者増加への懸念を挙げる人が多く、ほかに「緊急事態だと企業や学校の対応が違う」など宣言の効果への期待や、「解除すれば必ず緩む」「9月下旬に連休がある」といった再拡大への懸念、「接種が進むので数週間の延長は有効」とワクチンの広がりを待つべきとの意見などが寄せられた。

 「まん延防止等重点措置に移行すべき」は22%、「解除すべき」は12・1%。理由は「拡大のピークは過ぎた」と考える人のほか、「いったん緩和して経済を回し、冬に備える」など経済の打撃を心配する声が多かった。

 ◇ ◇ ◇

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 現在の宣言では十勝は札幌などの「特定措置区域」でなく、規制が緩い「一般措置区域」になっている。この区域指定について、「特定措置にすべき」と考える人は57・4%と多数を占めた。理由では「感染者率は道央圏と大きく変わらない」など感染者が多いと考える人が多く、「他地域からの流入が多い」「十勝は安全と思われて観光客などが来たことが、現在の感染増では」と人流増への懸念もあった。

 「一般措置で妥当」は25・5%。理由は「重症者が少ない」「市中の広がりが限定的」「特定にしても対策になっていない」など。

「宣言効果ない」「不十分」計66%
 緊急事態宣言に関する考え(複数回答)では「感染防止に効果がある」が28・4%に対し、「宣言慣れで効果はない」が44・7%、「そもそも対策として不十分」が21・3%と効果に疑問を持つ人が多かった。「より強いロックダウン(都市封鎖)が必要」と考える人も41・1%に上った。

 現在の宣言で、酒類提供の飲食店への規制が中心になっていることについては、「理解できる」24・8%に対し、「疑問」19・9%と判断が分かれた。ただ、規制に従う飲食店等への補償内容は「不十分」と考える人が47・5%と半数近くを占め、「十分」の1・4%を大きく上回った。

 自由意見では「宣言を何回も出したり解除したりで、もうほとんどの人が緊張感がない」「みんな普通に買い物や外出をしている。道外からも来ている」など現状への不安や不満を訴える声が多かった。

 行政に対しては「市中感染していないからでなく、家庭内感染だろうと感染者が増えれば宣言を出してほしい」との意見のほか、「抗体薬の使用体制の確立、高校3年生へのワクチン優先接種など迅速な対応が必要」「自宅療養ではなく野戦病院(臨時医療施設)を設置して」「PCR検査を何度でも無料で受けられるように」などの声があった。

 「子どもたちが安心して学べる環境の構築が大切」と、子どもへの影響を懸念する意見も複数あった。感染対策やワクチン接種などに関してさまざまな意見がある状況について、「互いが意見を尊重し合えることが問われている。この状況を打破するのは、ほんの少しの思いやりだと思う」との意見も寄せられた。

気をもむ規制業界
 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の期限が12日に迫り、十勝管内でもコロナ禍の影響が大きい施設や医療関係者、飲食・ホテル業界などは行方を注視している。

 9月以降は各地で文化行事が活発になる時期。幕別町百年記念ホールを指定管理するNPO法人の蓑島住雄理事長(66)は「十勝の感染者が減らない状況であれば延長は仕方がないと思うが、公演業務を運営する身としては解除してほしい」と心境を語る。

 帯広市内の医療機関幹部は、感染対策の緩みや慣れが指摘される中で「マスクをしない人が散見されるので、緊張感を持ってもらう動機付けになる」と宣言の延長に理解を示す。市内のスナック経営者は「解除されたら9月下旬の連休の人流で再び感染者数が増え、延長されると人が来ないから、飲食店はどちらにせよ困る」と語る。

 管内のホテル業界は、宣言で100件以上のキャンセルが出た施設もあり、新規予約も入りにくい状態。あるホテル関係者は「宣言で宿泊を後ろ倒しにするお客さんもいるが、何度も延長となると、諦めてしまう人も多くなってくる」と気をもむ。

 管内の飲食店におしぼりを提供しているヤマトおしぼり(音更町)の田中守社長(40)は「解除された方がいいが、客足が戻らないと、おしぼりの需要も戻らない。ワクチン接種を早く進めて、コロナと付き合っていく状態が浸透しない限り、経済活動は元には戻らない」と話す。(澤村真理子、高田英俊、安田義教、津田恭平)

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