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再出発、誓いの鐘響く 幸福駅でサプライズ挙式

「幸福の鐘」を鳴らす博豊さん(右)と葵さん

 帯広市内の旧国鉄広尾線幸福駅で25日、今季初のハッピーセレモニー(帯広観光コンベンション協会主催)が行われた。セレモニーに臨んだのは、2年前に帯広少年院を出所した坂本博豊(ひろとし)さん(20)=仮名=夫妻。更生し、現在は都内で働きながらプロのボクサーを目指す博豊さんは、「もう元に戻れない。真面目に頑張りたい」と妻の葵さん(25)と共に「幸福の鐘」を鳴らし、観光客らの祝福を受けた。

 少年院や児童養護施設出身の青年たちを支援する団体「スマイルリング」(幕別町、堀田豊稔代表)がサプライズで企画した。博豊さんを以前から支援していた堀田代表と同団体の野々村千晶理事が、博豊さんから今年2月に結婚したと報告を受け、「経済的な理由で式も挙げられない中、記念に何かできないか」と模索。同協会からの委託でセレモニーを運営するカフェ幸福村の三浦なおみさんに相談し、夫妻の来勝に合わせて実現した。

 博豊さんは北海道出身。約2年半、帯広少年院で過ごし、2019年に出所した。少年院に入ったばかりの頃は「人を傷つけることにも罪悪感がなかった」という。そんな中、プロボクサー川崎タツキさんの半生を書いた本「はぐれ者」を読み、心を動かされた。「自分もプロボクサーになりたい」。少年院での更生活動に本気で取り組んだ。

 しかし、社会復帰へのハードルは高い。精神的にも追い込まれていた時、少年院時代に講演を聞いた堀田代表をSNSで見つけ、勇気を振り絞ってメッセージを送った。その後、すぐに上京が決まり、同団体の名誉理事でもあるプロボクサー坂本博之さんのジムに通うことが決まった。

 現在は都内のアパートで葵さんと暮らしながら、建設作業員として働き、プロを目指してジムに通っている。大変な毎日も、葵さんの存在が心の支え。「きれい事ではなく、好きだから頑張れる。初めて家に帰りたいと思えるようになった」という。

 25日は午前8時半ごろ、野々村さんらが坂本さん夫妻を連れ出した。葵さんは野々村さんが親友から借りたドレスを身にまとい、博豊さんもタキシード姿で臨んだ。「何があっても、ずっと楽しく一緒にいられたら」と葵さん。新たな一歩を踏み出した2人の様子を見守り、野々村さんは「博豊は『お母さん』といつも電話をくれていた。(企画が実現して)本当によかった」と喜んだ。(石川彩乃)

<プランは2000円から>
 ハッピーセレモニーは体が不自由な場合など特別な事情にも対応している。年間60~70組が利用。昨年はコロナ禍でも約40組の利用があった。プランは2000円からで飛び込み参加も可。今季は11月末まで。12月からは完全予約制。

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