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有名バイク元設計者の高田さん帯広で開業、レース仲間桑原さん支える

バイクカスタムの店を開業した高田さん(左)と、整備の修業を引き受けた桑原さん(右)

 自動車メーカー本田技研工業の開発部門・本田技術研究所で数多くの有名バイクの設計を約20年続けた後、十勝に移住した高田善夫(よしお)さん(47)が、バイクのカスタムなどを行う店「Moto Laboratorio(モトラボラトリオ)」を市内西20北3にオープンさせた。若い頃に十勝スピードウェイ(更別)で共にバイクレースでチームを組んだ桑原淳さん(45)=幕別町・桑原自動車社長=の下で整備を修業、同じ今年9月に高田さんの店は小型二輪整備事業、桑原さんの工場も自動車特定整備事業の国の認証を受け、事業とモータースポーツの振興に決意を新たにしている。

 高田さんは秋田市生まれ。北見工大、同大学院に進学して学業の傍ら十勝でのミニバイク(排気量50cc)レースに打ち込み上位で活躍。

 幕別町出身の桑原さんも帯広柏葉高在学時から同レースで快走、耐久レースに出るためライバルの2人でチームを組み、1996年8月の60分耐久レースで初優勝した。

高田さんが開業した「Moto Laboratorio」

 その後、高田さんは本田技術研究所に就職、桑原さんはホンダインターナショナルテクニカルスクールで学んだ後、家業に就いた。高田さんはホンダの人気スクーター「Dio」などを担当し「2000年ごろに国内で走っているバイクの約4分の1は自分が設計した」ほどの技術者。イタリアなどでも勤務し新機種の企画などを担ってきたが、次第に管理業務も増え「このままでは好きなバイクに触れなくなる」と妻(オホーツク管内斜里町生まれ)出身の北海道での「バイク屋」開業を目指して2016年末に退職。十勝の人々の人間性にひかれて17年正月に移住した。

 桑原さんの誘いで桑原自動車に勤務して整備の修業を開始、コストを考えたスピーディーな作業や「手の届かない場所にある古いねじの緩め方」などプロの技を覚え、整備士3級、同2級を取得。昨年末に退職して店を仮オープンさせて設備などを整え、今年9月に認証を受けて10月1日に正式オープンした。

 店ではメーカーを問わずバイクのカスタムや整備をメインに、部品の設計・製造も行う。高田さんは「世の中にない部品を付けたい人はぜひ」と言い、レースでも十勝スピードウェイでのロードレースで車検長も担う。

 桑原さんも自動車の先進安全装置の調整・校正などができる特定整備事業の認証を十勝のディーラー以外の民間整備工場として初めて受けた。

 「新しい時代に生き延びるため、十勝の第1号を目指した」と高田さんと共に新たなスタートを切れたことに笑顔を見せた。(横田光俊)

関連写真

  • カスタム部品の製造に当たる高田さん

    カスタム部品の製造に当たる高田さん

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