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沖縄戦で亡き父へ「ご苦労さま」 十勝の遺族ら冥福祈る

激戦地となった糸満市真栄平にある南北之塔で手を合わせる(右2人目から)佐藤さんと岡和田さん(19日午前10時25分ごろ、塩原真撮影)

 【沖縄県糸満市】太平洋戦争末期の沖縄戦で家族を亡くした、十勝を含む道内関係者16人が18日に沖縄入りした。北海道連合遺族会主催で、19日午前は最後の激戦地となった糸満市を訪れ、慰霊碑に花を手向けて冥福を祈った。

 十勝から参加したのは、父を亡くした幕別町の岡和田照吉さん(76)、池田町の佐藤裕彦さん(79)のほか、佐藤さんの妻の米子さん(73)、池田町の庄司朝子さん(75)の4人。

 沖縄戦では日米双方で20万人以上が犠牲となり、うち道内出身者は1万人を超え、都道府県別では沖縄県に次いで多い。同遺族会は毎年、沖縄で戦没者追悼式を行っているが、4人は年齢面などを考慮し、初めて慰霊巡拝団に加わった。

 19日午前はバスで五つの慰霊碑を回った。地元住民らが身元不明の遺骨を収集し建てた南北之塔では、生前の写真や郷土の土産などが供えられた祭壇に、おのおの線香と菊の花を手向け、手を合わせて深々と頭を下げた。

 塔近くにある戦時中の避難場所となった自然洞窟(ガマ)も見学。5歳のときに父を亡くした佐藤さんは「ここに来ると胸が熱くなり、涙が出てくる。ご苦労さまと声を掛けた」。岡和田さんは「ひ孫の代まで元気に過ごしていることを伝えたい」と話した。

 遺族らは同日午後に、同遺族会が設置した北霊碑前で戦没者追悼式に臨む。20日は観光にあて、21日に沖縄県護国神社を参拝し、道内に戻る。(高田晃太郎)

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