十勝フェアスカイＦＣ初Ｖ、道サッカーリーグ 十勝勢初の王者
管内勢で初の道リーグ制覇を果たした十勝フェアスカイＦＣ
【幕別】社会人サッカーの第３７回北海道リーグ（道サッカー協会主催）の第１３節は１４日、幕別運動公園陸上競技場などで４試合を行った。十勝フェアスカイＦＣは新日鐵住金室蘭に４－２で勝利、通算１２勝１分けとし、最終節を残して初優勝を決めた。同リーグで十勝勢が優勝するのは初めて。フェアスカイは前半に田中基樹主将のフリーキックで先制。荒木一真の２得点と、松島仁のゴールで加点した。フェアスカイは各地域の優勝チームが参加する全国地域リーグ決勝大会（１１月７日開幕・山梨県など）の出場権を得た。（北雅貴）
前身「ルードボーイズ」から１０年目
十勝の悲願 地元で決定 新旧選手、勝利へ一丸
十勝から全道制覇を－。２００５年のシーズンに全道ブロックリーグ決勝大会を制して道リーグ昇格を果たしたルードボーイズが、０６年にとかちフェアスカイと改称。準備期間を含めて１０年の節目に悲願が成就した。これまでの３６回は札幌、函館、室蘭、夕張勢で分け合ってきた王者の称号を十勝にもたらした。菖蒲友幸代表は「まさかこんな日が来るとは」と感慨深げにつぶやいた。
０６年はＪリーグの清水エスパルスやヴァンフォーレ甲府でプレーした松島仁も加わり６位で残留したが、翌年は７位で道東リーグに降格。主力の７、８割が去り、「解散も頭にちらついた」（菖蒲代表）ほどのどん底に。道東リーグには１０年までの３年間を過ごした。
１１年に再昇格してからは、帯北高でキャプテンとしてリーダーシップを発揮し、インターハイ初出場を果たした田中基樹主将や、弟で鹿島アントラーズなどに在籍した康平らを軸に、道内でも有数の強豪チームに成長。１２、１３年は２年続けて２位と頂点に迫った。
今年はさらに、昨季限りで廃部となった六花亭マルセイズからＧＫ前田龍大やＭＦ板垣和之ら４選手が新加入。主力として活躍し、優勝の決まったこの日にも全員が出場した。菖蒲代表は「良きライバルで仲間でもあった六花亭が最後のピースを埋めてくれた」とほほ笑んだ。
菖蒲代表と二人三脚でチームを支えた原口康紀副代表は「全道１位になるんだという自分たちの意気込みを他のチームも理解してくれて、選手を移籍させてくれた。十勝の地域がもたらしてくれた勝利」とかみしめた。十勝フェアスカイの名付け親の金澤耿十勝地区サッカー協会会長も「道リーグ優勝は、道内ではコンサドーレ札幌の次ということ。仕事を持ちながら良く戦った選手とスタッフをたたえたい」と喜んだ。
初参加となる全国地域リーグ決勝大会へ向けて、吉田雄造監督兼選手は「強いチームばかり。戦い方をもう一度みんなで見詰め直して準備したい。まずは１勝を」と力を込めた。
「このシーズン無敗で締めたい」 田中主将
「優勝に値するゲームはできたと思う」。田中基樹主将は胸を張った。
前半２１分、ペナルティーエリアから少し離れた場所でフリーキックを得た。田中主将が蹴ったボールは壁を作った相手選手と味方の間を正確に通過、ゴールネットを揺らした。同３４分には荒木一真がスルーパスに抜け出してゴールし、優位に立った。４－０の後半４０分から２失点したが、球際での激しいプレーやセカンドボールを奪い支配した。
開幕戦の札幌蹴球団戦で４－１で快勝し、手応えを感じた。昨年は１敗１分けと相性の悪い相手にリズム良くプレー。けが人が出ても他の選手でカバーできた。運動量も豊富だった。
最終節は２１日に札幌で、３連覇していたクラブフィールズノルブリッツ北海道と対戦する。「ここまで来たら無敗でシーズンを終わりたい」。田中主将は力強く言い切った。
＜選手・スタッフひとこと＞
十勝でもできる
菖蒲友幸代表 長年チームを応援してくれたジェネシスなどのスポンサーや職場、家族のおかげ。十勝でもできることを証明できた。
感謝でいっぱい
原口康紀副代表 前身のルードボーイズで強化を始めて１０年。関わってきた多くの人たちに感謝の気持ちでいっぱい。
諦めなかった
吉田雄造監督 諦めずにやり続けたことがつながった。今季は絶対に優勝するんだとの気持ちが出ていた。
１年ずつ積み上げ
越智卓コーチ 十勝のサッカーがまた一歩前に進んだと思う。１年ずつの積み上げで達成できた。
会場設営で支援
小林敦司運営委員 選手が気持ちよくプレーできるように会場設営などに携わった。良い選手に囲まれて幸せ。
悔しさ晴らせた
田中基樹主将 ２年続けて準優勝の悔しい思いを晴らせた。全員が優勝への思いが強かったと思う。
実感が湧かない
前田龍大 実感が湧かない。点を取ってくれるのは分かっていた。ＧＫとして声を出してＤＦを引き締める役割を意識した。
一緒に成長できた
山本康平 技術の高い選手と一緒にできて成長できた。落ち着いてプレーするよう心掛けた。
勝利に貢献できた
寺嶋健太 センターバックとして全試合フルタイムで出場した。失点したが貢献はできたと思う。
とにかく走った
山口職 自分が出場するときは後半の最後の方。皆が疲れているのでとにかく集中して走って助けようと思った。
皆で勝ち取った
中村慎士 皆で勝ち取った。年々、走力のある選手が増えた。社会人チームとしては大きなことだ。
一員でうれしい
高橋敬 チームの一員として優勝に関われてうれしい。自分のプレーには満足していないので調子を上げてたい。
全国で勝利したい
松島仁 一人ひとりがシーズンを通して頑張った。全国ではＦＷとして得点し、勝利に貢献したい。
熱い選手ばかり
五十川幸輝 常にゴールを狙った。サッカーに対して熱い選手ばかり。練習は厳しいが楽しい。
やっとの気持ち
菊地貴 初期メンバーとして「やっと」という気持ち。チームとして厚みが出てきたし、まとまっていた。
今季順調だった
清原和也 今季は苦しい時期もなく、順調だった。ＤＦラインもしっかりと話はできていたと思う。
ホームで優勝できた
中村吉克 掲げた目標を実現できた。きょうは内容より結果が全て。ホームで優勝できて良かった。
優勝感慨深い
菱岡敬彰 最初から在籍した者として感慨深い。第２ＧＫとしてレギュラーが安心してもらえるようにいつも準備していた。
気持ち強く持てた
板垣和之 勝利への気持ちを強く持てた。毎試合、普段と変わらないサッカーができた。
シュートの質向上
荒木一真 （帯北高時より）体力面は落ちたが、周りを見て判断する力は付いた。シュートの質も良くなっている。
これからも練習
黒川聖平 細かくつないで走ることに注意した。これからも練習をしっかりしたい。
協力者のおかげ
田中康平 これまで在籍してきた人たちのやってきたことが今に生きている。協力してくれる人がいるからプレーできている。
立ち会えてうれしい
浅井達郎 ノルブルッツ時に何回か優勝しているが、立ち会ったことがなかったのでうれしい。
万感の思いある
早勢拓祥 万感の思いがある。ベンチから気付いたことを声掛けしたり、試合前のアップから盛り上げるようにした。
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