不登校“地域の支えがカギに” 文科省全国キャラバンが道内で初開催
不登校について考える講演会「これからの不登校支援」(登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク主催)が7日、帯広市内のとかちプラザで開かれた。文部科学省の職員が講演したほか、星槎国際高校帯広学習センターの生徒が不登校の経験談を語り、管内市町村の教育委員会職員や保護者、教師を目指す高校生らが、不登校に理解を深めた。(高井翔太)
「文科省全国キャラバン」の一環で、道内では今回が初開催。関係者93人が来場した。
文科省生徒指導室・室長補佐の上久保秀樹氏(52)が「不登校の文科省政策と親支援について」と題して登壇。小中学校における不登校児童・生徒数は昨年度約35万4000人で過去最多となったことや、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策「COCOLOプラン」の概要を説明した。
鹿児島県で携わった事例を示した上で「不登校は誰にでも起こり得るという発想とともに、地域の中で支えるという体制を構築していくことで理解も広がる。学校と家庭、社会、どこかが欠けていては子どもを育てていけない。どう連携し、どう育てていくかいま一度考えてほしい」と呼び掛けた。
星槎国際高校帯広学習センターの生徒2人も登壇。2年の瀧澤冬弥さん(16)は聴覚情報処理障害により小学2年から不登校に。「障害を言語化できず、学校に行けるか行けないか分からない時が一番つらかった」と振り返った。助かった支援については「放課後に登校して勉強方法について教えてもらえたり、登校しなくてもできる学校行事に参加させてもらえたりした」と話した。
1年の尾崎椎菜さん(16)はオンラインゲームでのチャットで悪口などが飛び交い「人との関わりが怖くなってしまった」と不登校に至る経緯を説明。部屋に引きこもり、気持ちの整理ができずに自己嫌悪に陥る日々で、両親との受け答えもできなかったという。
母親の「大丈夫だよ」という言葉に支えられたといい、「空き教室での登校で、同じ不登校の生徒と出会い、学校に行こうと思えるようになった」と振り返った。











