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とうもろこし(サイレージ用)「ミリアーノ」

道総研北見農業試験場 研究部 馬鈴しょ牧草グループ

1.試験のねらい
 とうもろこしサイレージは、高栄養自給粗飼料として高く評価されている。輸入穀物価格の変動が大きい近年の情勢に対応し、飼料自給率の向上を図る必要があることから、その重要性は増している。良質なサイレージ原料を確保するためには、各栽培地帯において安定した生産性を発揮できることが重要であり、品種比較試験を行い、優良品種を選定する。

2.試験の方法
 とうもろこし(サイレージ用)「ミリアーノ」は、クラインワンツレーベン育種株式会社(ドイツ)が3系交配(デント×(フリント×フリント)、構成系統は不明)により育成した一代雑種品種である。ホクレン農業協同組合連合会が2016年に導入し、品種比較予備検定試験を行った。有望性が認められたことから2018年〜2020年に北見農試および家畜改良センター十勝牧場において品種比較試験を行った。また、2020年〜2021年に遠軽町において、同現地試験を行った。さらに、2018年〜2019年に北農研において、すす紋病抵抗性およびごま葉枯病抵抗性に関する特性検定試験を行った。

3.成果の概要(標準品種「KD418」との比較)
1)早晩性:絹糸抽出期は同日から1日遅く、収穫時熟度並である(表1)。雌穂乾物率は農試平均で高く、現地でやや高い。総体乾物率は農試平均でやや高く、現地で同程度である(表2)。早晩性は“早生の晩”に属する。北海道統一RM は総体が88、雌穗が84である。
2)耐倒伏性:並である(表1)。
3)発芽・初期生育:発芽期は2日から3日早い。初期生育は優れる(表1)。
4)収量性・乾物特性:乾物総重および推定TDN 収量は農試平均でやや多く、現地で多い(表2)。乾雌穂重割合および乾物中推定TDN 割合は並である(表2)。
5)形態特性:稈長および着雌穂高は高い(表1)。
6)耐病性:特性検定試験におけるすす紋病抵抗性は、“極強”である(表3)。圃場試験におけるすす紋病罹病程度は低い(表1)。特性検定試験におけるごま葉枯病抵抗性はやや強い。圃場試験におけるごま葉枯病罹病程度は同程度である(表1)。根腐病の発生は認められなかった(表1)。
 
4.留意点
 なし。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研北見農業試験場 研究部
馬鈴しょ牧草グループ 飯田憲司
電話 0157-47-2633 FAX 0157-47-2774
E-mail iida-kenzi@hro.or.jp

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