本別など6町でアプリを使った不明者捜索訓練
【本別】スマートフォン(スマホ)でアプリを活用し行方不明者を捜す「認知症等行方不明者捜索模擬訓練」が22日、本別など東北部6町で行われ、アプリの有効性や課題を検証した。
国の補助を受ける「オレンジセーフティネット」事業。本別、足寄、陸別、上士幌、浦幌、池田の6町はモデル団体に選ばれている。訓練は、隣町からバスやJRで来た行方不明者をアプリを使って捜す内容。各町関係者ら総勢約100人が参加した。
本別では同日午後1時58分、上士幌から自動車で本別町西美里別の病院に行ったまま男性が行方不明になったとアプリに入電。対象者の写真や特徴、いなくなった場所も地図に示された。17人が8グループに分かれ、車で捜索を開始した。
アプリ上で瞬時に「役場付近で捜している」「車はシルバー」などと各グループから多くの情報が入り、同2時46分に道の駅で対象者を保護した。各町でも対象者を無事に発見し、最速は池田町の「18分」だった。
捜索に参加した本別町総合ケアセンターの保健師山本優子さんは「どこのグループがどこにいるのかが地図上に示され、次に捜す場所のヒントになる」とアプリの利点を挙げ、他の参加者からも「有効な手段」とする声が聞かれた。一方、情報の誤りにより「ないものを捜すことになるので、正確な発信や更新が必要」との指摘もあった。
昨年度の管内での行方不明者の捜索依頼は58件。6町モデル事業の事務局となる同センターは今後、徐々に捜索協力者の登録と事業への参加自治体を増やしたい考えだ。(木村仁根)