筒香選手の遠征の写真今も大切に 新得
【新得】新得町内の貴戸延之さん(75)=元町職員=は、米大リーグのピッツバーグ・パイレーツで活躍する筒香嘉智選手が横浜高校野球部時代の2008年夏、野球部合宿で新得町を訪れた当時の貴重な写真を今でも大切にしている。合宿翌年には、ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団した筒香選手のこれまでの活躍を振り返り、「(大リーグでの)来シーズンのプレーに期待したい」とエールを送っている。
当時、新得高校(19年3月に閉校)の活性化を目指して活動していた同校対外交流実行委員会が、08年夏の甲子園大会でベスト4となった強豪の横浜高校野球部(24人)を合宿に招致。部員らは、同年8月28~31日の4日間滞在し、帯広北高など道内3校との練習試合のほか、そば打ち体験を楽しんだ。
4番打者で主将の筒香選手(当時2年)ら横浜高の選手を一目見ようと、同30日に町営球場で行われた北照高校(小樽市)や鵡川高校(胆振管内むかわ町)との練習試合には、道内各地から約500人がスタンドに詰め掛け、選手の一投一打に歓声を上げた。練習試合の主審を務めた新得町軟式野球連盟の男性は「ジャッジするのが精いっぱい。筒香選手の豪快なスイングに驚いた」と、当時を懐かしむ。
貴戸さんは、打席に立つ筒香選手のフォームをカメラに収めようと何度もシャッターチャンスを狙った。北照高との試合でホームランを放った白球は場外に消え、「近い将来、大物になる」と感じたという。
横浜高校野球部の当時の小倉清一郎部長は、自らバットを振り技術指導をした。新得高2年で野球部主将だった芦野哲弥さん(30)=帯広市在住=は「バッティングは一にも二にも三にもタイミング。これができれば甲子園に行ける」とアドバイスを受けたことを今でも覚えている。
くったり手打ちそばの会(廣山輝男会長)の協力でそば打ち体験を楽しんだ筒香選手は、慣れない道具に戸惑いながらも真剣にそばと向き合った。自分たちで打ったそばを試食し、胃袋と気持ちを満たしていた。貴戸さんは「また新得のおいしいそばを食べにきてほしい」と話している。(佐々木健通信員)