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アイヌの遊び商品化 帯広出身の大海さん

新商品「ウコニアシ」と大海さん。「『歴史とゲーム』をきっかけに興味を持ってほしい」と話す

 【札幌】帯広市出身の大海恵聖(えみ)さん(53)が社長を務める「エムブイピークリエイティブジャパン」(札幌市)が、アイヌの伝統的なボードゲーム「ウコニアシ」を制作・販売している。帯広百年記念館アイヌ民族文化情報センター「リウカ」(帯広市)に協力を依頼、アイヌ民族文化財団(札幌市)のサポートを得て約1年かけて完成させた。

 「ウコニアシ」は「互いに立てる」の意味。木の板や炉の灰に「田」のような線を描き、交わった箇所に穴をあけて棒を立てる。自分の3本の棒を動かし、相手の陣地に自分の棒を並べたほうが勝ち。リウカが2007年に板や枝で再現品を制作、十勝の子供たちに親しまれてきた。

 昨年7月にオープンした「ウポポイ」(民族共生象徴空間)内のショップで自社商品を販売していた大海さんは、関係者との会話で再現品を知った。遊びを通じて子どもたちがアイヌ文化と歴史を知るきっかけになればと考えた。

帯広百年記念館で再現された「ウコニアシ」。現在6台あり、館内や出前授業などで子供たちが遊ぶ(帯広百年記念館提供)

 ウコニアシに関する資料を図書館で探して読み、同記念館に監修を依頼。現代の遊びを意識し、木ではなくアクリル素材を採用した。パッケージデザインは障害者就労継続支援事業所と試行錯誤して進めた。

 7月からウポポイ内のショップと自社サイトで販売開始(2200円)。売り上げに応じ、十勝などの児童館やアイヌ文化施設などへ寄贈予定。

 「故郷帯広で、私自身の思い入れも深い百年記念館とともに作り上げられたことがうれしい」と大海さん。海外からの問い合わせもあり、「コロナ収束後にはお土産としても活用してもらえれば」という。

 遊び方の動画制作などに協力した同記念館の学芸員池田亨嘉(ゆきよし)さんは、「見た目は単純だが、囲碁や将棋とは違う性質のおもしろさがある」とし、「やり込まないとわからない部分がたくさんあり、アイヌの人たちの奥深さが伝わる。ゲームを入り口に、その奥深さを感じてもらいたい」と話している。(安藤有紀)

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