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体調不良のゾウのナナ、市民から励ましの声 おびひろ動物園

ナナの姿がないゾウ舎。柵には「展示中止」の張り紙も

 体調不良から立ち上がれず、横たわった状態が続くおびひろ動物園(柚原和敏園長)のアジアゾウ「ナナ」(雌、59歳)。食欲はあり、排せつもするものの、依然、頭を持ち上げることができない。市民らからは回復を願う果物などのお見舞いや、電話やメールでの励ましが届いている。

 同園によると、19日早朝に立てなくなっているのを宿直員が気付き、飼育展示係が交代で容体を見守っている。原因は不明で、頭が上げられないことから起き上がれない状況だ。
 食欲はあり、現在は誤嚥(ごえん)の危険性が少ない果物などを1日に10~15キロ程度食べる。ただ、鼻を使って食べられず、展示飼育係が口に一つ一つ差し入れる。毎日50キロ程度の餌を食べていたナナにとっては少ないが、横たわっている状態で通常の食事はリスクがあるという。

 当初できなかった排便は25日に確認され、29日も見られた。意識ははっきりしており、飼育展示係が声を掛けると鳴いたりして応える。

 一方、起き上がれなくなって1週間ほどは壁を蹴るなどして動いていたが、この4日間はそうしたこともなくなった。体の下にわらは多少敷いてあるものの、床ずれによる体力の消耗が懸念される。築50年以上の獣舎は、ナナを立たせられるような設備がない。

 国内で飼育されていたゾウの多くは、起き上がれなくなってから1日ほどで死んでしまうことが多い。旭山動物園(旭川市)で2006年に死んだマルミミゾウのように、5日ほどで死に至った例もあるが、ナナは29日で11日目になり、日ごとに心配は増す。

 同園には市民らから、ナナの体調や飼育展示係を気遣うメールや電話が相次いでいる。インターネット上でも「ナナが心配」「できるだけ負担が軽くなるように」など回復を願う声が上がっている。

 柚原園長は「最善の方法を探している。小康状態にはあるが、できることをしていく」と話している。
(松田亜弓)


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