山レポート

斜里岳

斜里岳

斜里岳。下二股付近(標高800メートルあたり)からガスが晴れた雪化粧のピークを望む

斜里岳。下二股付近(標高800メートルあたり)からガスが晴れた雪化粧のピークを望む

 10月11日、日本100名山の1つに名を連ねる斜里岳に行きました。
斜里岳のコースは、一般的に麓の清岳荘を発着点にして沢沿いを登る「旧道」とひたすら尾根沿いを歩く「新道」の2つですが、今回我々が挑むのは一の沢川二の沢コース。
登山4日前の7日に「斜里岳初冠雪」のニュースがあり、楽しみと不安が半々でした。

 前日の10日に帯広を出発。メンバーは、先輩記者とその山仲間の方と筆者の3人で、麓で宿泊しました。
11日早朝、辺りはすかっと晴れてはいたものの斜里岳に目を向けると頂上だけがガスに覆われていましたが、うっすらと雪化粧に包まれた頂が見えていました。

 降り始める雪の中、午前7時10分に清岳荘を出発。
気温は氷点下と思われたが、動けば気にならない程度。雪で滑り転げないことに最善の注意を払いながら先へと進みます。

斜里岳。連続する滝。見た目はきれいだが、登りには苦戦

斜里岳。連続する滝。見た目はきれいだが、登りには苦戦

 40分ほど進むと、1つめの滝に直面。5メートル級の小さいものが3~4ほど連続しているゴルジュでした。登攀は滝のすぐ横で行うのですが、凍りかけて滑りやすい岩肌に苦戦。ザイルを使用し3ピッチかけてビレイし、2時間近くかけて小さい滝をクリア。だが、それ以上の標高になるとさらに滑りやすくなっていることから、引き返しを選び下山。

 時折晴れる青空にはすっかり初冬の姿をした、真っ白の雪に覆われた頂上が映えていました。
駐車場に着いたのは出発から約3時間半後の午前10時45分ころ。早い段階での引き返しとなりましたが、一足早い冬の自然に心躍る瞬間もあり充実した登山となりました。

斜里岳。ザイル(ロープ)を使って滝を攻略した

斜里岳。ザイル(ロープ)を使って滝を攻略した

 私が経験したザイルの使い方は下降訓練のみ。今回カム類やナッツを用いた登攀での使用は初めてで、とても勉強になる沢登りでした。難易度は、先輩たちにとっては「夏で凍っていなければ問題ない」とのことでしたが、5年ぶりに沢で登った私には夏でも危ないかもしれないと思いました。次は夏にリベンジしたいと思います。

(文、藤島諒司、写真:塩原真)


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