6月末に閉店したイトーヨーカドー帯広店(帯広市稲田町南8線)の跡利用の第1弾として、ダイイチ稲田店(大久保雅也店長)などが27日にオープンした。ダイイチ(帯広市、若園清社長)の24店舗目で、売り場面積は同社最大。
ダイイチはイトーヨーカ堂(東京)と資本関係にある。道内から撤退するイトーヨーカドーのうち、帯広店とアリオ札幌店の食品売り場を継承する。
ダイイチによると、稲田店の売り場面積は約2700平方メートルで、最大だった白樺店(帯広)を上回る。旧ヨーカドーのレイアウトを生かしつつ、総菜や酒類、セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランド「セブンプレミアム」の商品などを拡大した。
この日は午前9時の開店時に東口だけで500人以上が行列をつくった。市内の主婦西田あつ子さん(69)は「ヨーカドーはたいていの物がそろった。全館オープンが待ち遠しい」と笑顔だった。
旧ヨーカドー時代からテナントの六花亭(帯広市)と包丁専門店・宮文(札幌市)、クリーニングのエンパイアー(同)などの営業と、帯広信用金庫などのATM3基の稼働が再開した。関係者によると、全館開店は来春を目指しているとされる。
十勝や稲田店への思いを語る若園社長(27日午前9時半ごろ)
「信頼される店に」
ダイイチの若園清社長は27日、稲田店内で取材に応じた。施設所有者から売り場部分を受け継いで1カ月半で開店したことを明かし、「大型店の閉店が相次ぐ中、地域の人に安心を届けたい。お客さまに信頼される店をつくる」と話した。
稲田店は従業員103人のうち63人が旧ヨーカドーからの雇用。新規採用や他店からの異動者を含め「融合して新たな店づくりを協力して進める」とした。開店準備は8月中旬からで、「社員や関係者が力を合わせ、社会的使命感から頑張ってくれた」と感謝した。
昨秋にすすきの店を新設、今秋に千歳市の新店開業を控える。「帯広で創業して67年目。安定経営を進め、地域経済に貢献したい」と話した。(佐藤いづみ)