アンコールで全員がステージに上がり、観客と一緒に盛り上がる出演した高校生たち(助川かおる通信員撮影)

30年ぶりの高校生ロックフェス熱狂 若い力が観客1200人集める

 高校生による夏の野外音楽フェス「Youth Fes Tokachi」が4日、帯広市内の緑ケ丘公園グリーンステージで開かれた。管内の高校生総勢60人が4時間半の演奏を繰り広げ、待ち望んでいた青春のステージを熱く盛り上げた。(細谷敦生)

 学生団体「とかち高校軽音楽振興会・トカチューン」(石川裕大代表)が企画・運営した。同団体は約30年間ロック系の音量が大きい演奏での使用が認められていなかった同ステージで音楽フェスを開催しようと活動し、住民アンケートや騒音調査などを実施。市や市民の理解が得られ、フェス開催が実現した。

 帯広柏葉、帯広三条、幕別清陵などの生徒によるバンド17組と3人のソロシンガーが出演。オープニングを飾った柏葉高2年生5人による「沈ミカル」はカバー曲2曲を披露。ボーカルの山本野乃さんは「このステージに立てているのが夢のよう」と感慨深い様子だった。

 前半の最後には、このフェスに向けて作られたオリジナルテーマソング「CeLest」を発表。作詞作曲は柏葉高3年の塚本竜生さんが行い、各校混合の特別バンドが初披露した。塚本さんはこの曲に「これまで頑張ってきたことも、うまくいかなかったことも全部無駄じゃない」という思いを込めたと話した。

 全バンドの演奏が終わって会場からアンコールが求められると、出演者全員がステージに上がって最後の一曲を演奏。石川代表は「たくさんの方のご協力でわがままをかなえてくれた。これだけの景色を見られて幸せ」と、声をからしてあいさつした。

 トカチューンによると、この日は約1200人が会場に集まった。石川代表と中学からの友人という増岡輝さん(帯広大谷高3年)と廣瀬詩恩さん(帯広工業高3年)は「若い力が集まった最高のステージだった」と最前列で盛り上がっていた。

 孫が出演していた帯広市の引地紀子さん(82)は「高校生がここまでやり遂げて感動と感謝の思い。来年以降もぜひ続けてもらいたい」と話していた。

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細谷 敦生

十勝毎日新聞社 編集局 教育・文化グループ

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