【大樹】大樹漁協(神山久典組合長)と漁協所属の若手漁業者らによる研究会(高橋良典会長)は17日、大樹町内の旭浜漁港で、養殖試験用のサクラマスの稚魚を放流した。過去4年は、しけや赤潮の影響もあり出荷に至らなかったが、関係者は「生育方法に改善を重ね、最後(出荷)まで育成したい」と期待を込める。
魚の需要が高い年末に出荷し、新たな収入源の確立を狙った取り組み。2020年から毎年、漁港のいけすに放流し育成したが、赤潮やしけの影響で出荷に至らなかった。
昨年度は順調に育成したと思われたが、産卵可能な状況まで成熟が進み過ぎてしまい、身の品質が落ちて出荷を断念した。今年度は「成熟を抑える効果がある」(関係者)といけすにライトを設置して対策する計画。
この日は漁協関係者や大樹町職員、十勝総合振興局職員ら約20人が集まり、トラックで運んだメスのサクラマスの稚魚(1匹約300グラム)1400匹を5メートル四方のいけす4基に放流した。
6月には、新たに10メートル四方のいけす1基も海に投入し、稚魚1000匹を追加予定。12月までに2キロほどの大きさまで生育することを目指す。
高橋会長(45)は「昨年は産卵可能な状態まで成熟してしまった。今年はライトの光を当てて対策して、出荷につなげたい」と話している。(吉原慧)