【新得】北海道拓殖バス(音更町、中木基博社長)の観光農園「拓鉄キノコタン」(新得町拓鉄)が6日午前10時にオープンした。自家用車や同社のバスで訪れた客が、原木シイタケの収穫体験を楽しんだ。(吉原慧)
同社初の異業種参入。観光地を創出することで、バス利用者を増やし、路線維持につなげたい狙いがある。同社の前身「北海道拓殖鉄道」の南新得駅跡地で、現在の同社新得営業所の遊休地を活用し、キノコ栽培用ハウスと物販施設を整備した。
オープニングセレモニーでは中木社長と浜田正利新得町長、長野章町議会議長、平川直樹町商工会長らがテープカットした。家族5人で訪れた帯広市の森倉仁美さん(36)は、「子どもに体験させたかった。意外と固くて収穫に苦戦したが、(子どもは)キノコを選ぶところから楽しんでいる」と笑顔。長男の俊さん(帯広稲田小6年)は「こんなにたくさん生えると知らずびっくり」と話し、肉厚なシイタケを選んでもぎった。
拓殖鉄道と拓殖バスの資料やグッズを展示販売するスペースも整備。かつての路線図や運賃表、「硬券」と呼ばれる鉄道の切符などが展示・販売され、札幌市の大学生塚田春輝さん(18)は「昔使われていた切符を買えた。タイムカプセルのよう」と、運行当時に思いをはせていた。
営業時間は午前10時~午後3時、水曜定休。収穫体験(100グラム324円)は、土日曜・祝日のみ。