帯広市内の北海道ホテル(林克彦社長)は、同ホテル内のラウンジ「ダイヤモンド・ダスト」のテーブルに珍しい技術の音響設備を搭載した。木材のテーブルに振動を加え、共振させて音を奏でる技術で、500キロの木が共振し音を奏でるのは世界でも初めて。
スピーカーを搭載したのは「ブビンガ」という木材の一枚板のテーブル。12人席で長さ4・8メートル、幅1・1メートル。ブビンガは現在はワシントン条約で輸出入に規制がかけられている希少性が高い木材。テーブルの魅力を伝え、注目してもらうためスピーカーを導入した。
スピーカーは全国で空間活用などを提案するカフワアーキテクト(東京、御山隆治代表社員)が設置。三重県の「山の加工場ネットワーク」(横濱金平社長)が開発した技術で、数年前に国際特許を取得。通常のスピーカーは紙を振動させて音を鳴らすが、木を共振させることで木材全体から音を鳴らす。業務提携し、カフワアーキテクトが販売や設置を担う。
同音響設備の導入は道内2例目で十勝初。テーブルのサイズが大きいため、通常は2個設置する共振用の機械を8個設置。ラウンジ全体に心地よい音色を響かせた。
御山代表社員は「木の大きさ、密度、堅さ、繊維などによって音が変わる。工業製品のスピーカーとは異なり、一点ものの楽器に近い。多くの人にテーブルから響く音を味わってほしい」と話した。(吉原慧)