ライブで自作の「にじいろ」を披露した平井さん

不登校の子どもたちへ 幕別清陵高の平井さんが“応援歌”自作

 幕別清陵高校1年で、軽音楽部に所属する平井結愛(ゆあ)さん(16)が、不登校の子どもたちへのエールを込めた「にじいろ」を作詞作曲し、17日に帯広市内で開かれた同部のライブでお披露目した。ライブには不登校児らを支援する団体「にじいろ」(帯広、澤柳美希子代表)の活動に参加する小中学生が招待された。(澤村真理子)

「動画の音源に」 支援団体が依頼
 きっかけは、同団体の「子供会」に参加する女子中学生が、活動のたびに制作している思い出動画に付ける良い音源が無いと澤柳代表に相談したこと。澤柳代表がメッセージ性のある音楽を付けられないかと考えていた矢先、新聞記事で同部を知り、曲の制作を打診。顧問の出崎圭介教諭が「オリジナル曲を作ることは生徒にとって良い経験になる」と快諾した。

心に響く歌を 歌詞手探り
 生徒たちに投げ掛けたところ、1年生の平井さんが手を挙げた。平井さんは札内中3年の頃にギターを始め、高校に入ってから本格的に歌手を目指すように。部ではボーカルとギターを担当し、ボイストレーニングにも通う。

 「にじいろ」は平井さんのギターによる弾き語り。作詞に当たり「子どもたちの心に響くフレーズを」と言葉を紡ぎ、当事者の子どもたちが嫌だと感じる表現がないか、本人たちの意見を聞きながら完成させた。作詞の経験はあったが、作曲は初めての挑戦で、「言葉をメロディーに乗せるのが難しかった」と振り返る。

 17日のライブは、コロナ禍のため、学校関係者のみに来場を制限したが、特別に「にじいろ」の子どもたちを招待。開演前に小中学生と澤柳代表ら保護者が平井さんに花束や色紙を渡して感謝を伝えた。動画を作成した女子中学生は「とてもすてきできれいな曲でうれしい」と喜んだ。

 澤柳代表は「子どもが元気になれば、と依頼したが、親にも染みわたる歌詞でお母さん方も喜んでいる」と感謝。平井さんは「人のために曲を作るのは初めてだったけど、こんなに喜んでもらえてうれしい。これからも続けていきたい」と笑顔で話した。

 「にじいろ」の音源は同団体に届けられ、動画のBGMや親の茶話会など会の活動で活用しているほか、関連団体にも紹介している。

不登校の子どもたちへ 幕別清陵高の平井さんが“応援歌”自作



【にじいろ】(1番)
どうして?
何度自分に問い掛けただろう
本当はもっと誰かと話したくて 笑い合いたくて
いくらもがいたって頭ではわかってるけど
体が心が 追いつかないんだよ
居場所がほしいよ…
雨上がりの空は 虹がかかってるよ
沢山泣いた後の空は
なないろに輝いてるよ

澤村 真理子

十勝毎日新聞社 池田支局

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