とかち財団(金山紀久理事長)は14日、帯広市内のLANDで、起業に関心がある若者向けのイベント「起業ロード~若き挑戦と可能性・地方での戦い方~」を開催した。オンラインを含め30人が参加し、経営者3人のトークセッションに耳を傾けた。
起業や新規ビジネスに挑戦するきっかけづくりのため企画。トークセッションには、ウェブ制作プラットフォームやシステム開発を行い、創業から3年で年商1億円を達成したBLUENESS(ブルーネス、仙台市)社長の吉尾輝大氏(28)と、同社執行役員でかつて消防士として働き、「消防士希望者向けオンラインスクール」を立ち上げた経歴を持つ野上陸氏(23)が登壇。進行役は9月に創業しフットサルスクールやIT(情報技術)事業、飲食事業を運営するELF(エルフ、帯広市)の大久保航也社長(25)が務めた。
吉尾氏は、大手企業も多いIT業界への参入について「最初は尻込みしたが、各社のサービスを見たり、制作者の話を聞いたりして、地方に特化したサービスが隙間産業として残っている」と考えたことを説明した。
野上氏は、1年間でオンラインスクールの生徒を2000人まで広げることができた要因について「『現役消防士』をPRし、ライバルとなる公務員予備校との差別化を図った」と説明。後発の起業を成功させるために意識すべきポイントとして、「隙間産業」、「ライバルとの差別化」といったワードが上がった。
同財団の山口壮太さんは「LANDに事業相談に来る人は30~40代が多い。20代で起業に成功した経営者の話を聞くことで、20代にも一歩を踏み出すきっかけにしてもらえたら」と話した。(吉原慧)