収穫した稲を掲げ豊作を喜ぶ児童と白木さん(左から3人目)ら(27日午前9時35分ごろ、助川かおる通信員撮影)

地酒「十勝晴れ」の酒米 12年栽培の白木さん最後の収穫

 【音更】地酒「十勝晴れ」の原料となる酒米「彗星(すいせい)」の収穫イベントが27日、十勝川温泉地区の白木祐一さん(77)の水田で行われた。今年は初めて生産から醸造までが十勝で完結する新体制となる一方で、12年前の事業開始から酒米栽培を牽引してきた白木さんによる最後の生産となり、参加者は、名前通りの十勝晴れの中、白木さんに感謝の思いで稲を刈り取った。

 とかち酒文化再現プロジェクト(増田正二代表)主催。産学官金などが連携し、2010年から音更の米と水などを使った日本酒を小樽で醸造し、十勝を中心に販売。今年から帯広畜産大学内にある上川大雪酒造の酒蔵「碧雲蔵」で初めて仕込む。白木さんは高齢を理由に酒米栽培からの“引退”を表明している。

 彗星は約2・64ヘクタールの水田で栽培面積。十勝農業改良普及センター北部支所によると、収穫期は先週だったが、台風の影響でずれた。収穫は25日に開始した。

 この日は増田代表や帯畜大の長澤秀行学長、JA木野の黒田浩光組合長、白木さんの妻弘子さん(74)ら家族も集合。新型コロナの影響で収穫は2年ぶりとなる下士幌小(和嶋康彦校長)の5、6年生8人も参加した。駒場あいさん(5年)は「楽しくできた。おいしいお酒になってほしい」と笑顔。冒頭花束を手渡された白木さんは「大変幸せ」と話した。

 参加した碧雲蔵杜氏(とうじ)の若山健一郎さん(51)によると、10月下旬に醸造を開始し、12月初めには完成予定。事務局では「今後の栽培体制については未定」としている。(佐藤いづみ)

佐藤 いづみ

十勝毎日新聞社 編集局 経済・産業グループ

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